「Tiger Lake」搭載の小型組み込みボードと産業用PC、NVIDIAのGPUカードにも対応:組み込み開発ニュース
イノテックは、組み込み機器向けのインテル第11世代「Xeon」プロセッサである「Tiger Lake」を搭載した小型のCPUボード「RX-1030」と産業用PC「EMBOX TypeRE1070」を開発した。
イノテックは2023年11月10日、組み込み機器向けのインテル第11世代「Xeon」プロセッサである「Tiger Lake」を搭載した小型のCPUボード「RX-1030」と産業用PC「EMBOX TypeRE1070」を開発したと発表した。2024年1月に量産を開始する予定だ。
RX-1030とEMBOX TypeRE1070が搭載するTiger Lakeは、インテルが2021年にリリースした組み込み機器向けのプロセッサ製品である。CPU処理能力は、これまで組み込み機器向けで広く利用されてきたXeonプロセッサである「Coffee Lake」や「Skay Lake」を大きく上回っている。最新のGPU「Intel Iris Xe Graphics」も内蔵しており、AI(人工知能)を活用したデータ処理や分析を低消費電力で効率的に行えることを特徴としている。
RX-1030は外形寸法が幅145×奥行き140mmと小型で、Mini-ITX規格(幅170×奥行きmm)よりも小型である。PCIe Gen4(16レーン×1スロット)による機能拡張に加えて、HDMI、Display Port、LVDS、アナログRGB、USB 2.0/3.1、ギガビットイーサネット、RS-232C、RS-422/485、GPIO、CFast、SATA、M.2などレガシーから最新まで含めた各種I/Oを備えることで、豊富な拡張性を有している。
EMBOX TypeRE1070の外形寸法は幅272×奥行き222×高さ98mm。この小型サイズに、NVIDIAのGPUカードである「RTX A2000」をはじめPCIeカードを内蔵できる他、SATAインタフェース対応の2.5インチSSDや冷却のための長寿命システムファンも組み込んでいる。ハードウェアベースでRAID 1(ミラーリング)にも対応した。動作温度範囲は0〜45℃である。
なお、イノテックは「EdgeTech+ 2023」(2023年11月15〜17日、パシフィコ横浜)に出展し、RX-1030とEMBOX TypeRE1070を披露する予定だ。
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