インテルがFPGA製品を拡充、RISC-Vベースのソフトプロセッサコアも無償提供:組み込み開発ニュース
Intelは、Intel Agilex FPGAの製品ポートフォリオを拡充した。開発者がより短期間でソリューションを構築できるよう、クラウドからエッジまでの包括的なソリューションを提供する。
Intel(インテル)は2023年9月14日、「Intel Agilex FPGA」の製品ポートフォリオを拡充すると発表した。開発者がより短期間でソリューションを構築できるよう、クラウドからエッジまでの包括的なソリューションを提供する。
Intel Agilex 3 FPGAシリーズは、消費電力とコストを重視したFPGAで、プロトコル拡張やロボットのI/O増設など幅広い用途で利用できる。同社はIntel Agilex 3 FPGAの新シリーズとして、「Intel MAX 10 FPGA」よりもI/O密度が高く、ボードとシステムの管理を対象とするBシリーズと、あらゆる業種のCPLDやFPGAアプリケーションに対応するCシリーズを発表した。
Intel Agilex 5 FPGA Eシリーズは、組み込みエッジ向けで、省電力と高い性能を兼ね備えている。消費電力当たりの性能は16nmノードの競合製品の最大1.6倍だ。また、AI(人工知能)アプリケーション向けにAI Tensorブロックを採用した。同シリーズには早期アクセスプログラムがあり、同社はプログラム参加企業に対し、2023年第4四半期(10〜12月)にサンプル提供を開始する予定だ。
既に量産出荷しているRタイル搭載Intel Agilex 7 FPGAは、競合製品の2倍速いPCIe 5.0帯域幅と、ポート当たり4倍のCXL帯域幅の優れた性能を備える。拡張性が高く、顧客は各自のニーズに応じて、短期間で開発を進められる。
また、オープンFPGAスタックをオープンソース化した。ハードウェアやソフトウェアのコード、技術ドキュメントへのフルアクセスが可能となり、開発者は多彩な機能をソリューション開発に生かせる。さらにSmartNICと、IPU(インフラストラクチャプロセシングユニット)プロバイダーのNapatechが提供する「F2070X IPU量産用アダプター」の一般利用が可能になった。
同社は「Nios V」プロセッサファミリーに、RISC-Vアーキテクチャで構築した無償ソフトコアIPの「Nios V/c」コンパクトマイクロコントローラーを追加した。今後、Nios V/cを、「Intel Quartus Prime」開発ソフトウェアのプロエディション対応デバイスから始めて、スタンダードエディション対応デバイスへと展開していく計画だ。
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