ArmがAI開発の促進に向け米国大手テック企業との戦略的パートナーシップを発表:人工知能ニュース
Armは、AIのイノベーション促進とAIベースの体験実現を目指し、AMD、Intel、Meta、Microsoft、NVIDIA、Qualcomm Technologiesなど、テクノロジー業界の大手企業との戦略的パートナーシップを発表した。
Armは2023年11月8日、AI(人工知能)のイノベーション促進とAIベースの体験実現を目指し、AMD、Intel、Meta、Microsoft、NVIDIA、Qualcomm Technologiesなど、テクノロジー業界の大手企業との戦略的パートナーシップを発表した。
ArmはNVIDIAと協力し、ニューラルネット用コア「Ethos-U」向けのローコードAIツールキット「NVIDIA TAO」の調整を進めている。NVIDIA TAOは、オープンソースAI、ML(機械学習)フレームワーク「TensorFlow」と「PyTorch」上に構築するためのインタフェースを提供する。
Metaとは、オンデバイス推論を可能にする「ExecuTorch」により、MLライブラリ「PyTorch」をArmベースのエッジ向けモバイル端末や組み込みプラットフォームに導入することに取り組んでいる。ExecuTorchを利用することで、AIとMLモデルの開発や最先端のニューラルネットワークを容易にデプロイできるようになる。
また2022年には、Arm、Intel、NVIDIAが共同で、8ビット浮動小数点仕様「FP8」を発表。その後、構成企業にAMD、Google、Metaが加わり、公式のOCP 8ビット浮動小数点仕様「OFP8」を共同策定した。
ArmやAMD、Intel、Meta、Microsoft、NVIDIA、Qualcomm Technologiesで構成するMX Allianceでは、マイクロスケーリング技術の仕様策定に取り組んでいる。同技術は、8ビットやサブ8ビットの狭ビットによるAIアプリケーションのトレーニングおよび推論向けのスケーリング手法でデータ形式を標準化することで、業界全体でスケーラブルなAIが可能になる。
こうした各社とのパートナーシップを通じて、1500万人ものArmの開発者が、次世代のAI体験を提供するために必要な基盤となるフレームワーク、テクノロジー、仕様の開発を進めるとしている。
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