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日立ジョンソンコントロールズが国内生産回帰を加速、部品の70%は国内メーカーから工場ニュース

日立ジョンソンコントロールズ空調は、栃木市大平町の日立体育館で、日立ルームエアコン「白くまくん」プレミアムXシリーズの出荷式を開催した。

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 日立ジョンソンコントロールズ空調は2023年11月7日、栃木市大平町の日立体育館で、日立ルームエアコン「白くまくん」プレミアムXシリーズの出荷式を開催した。出荷された白くまくんプレミアムXシリーズは同年10月30日に発売された新バージョンとなる。【訂正あり】

栃木県内の取引先から購入した件数は45%

 新バージョンは新機能として「凍結脱臭クリーナー」と「ファンお掃除ロボ」を備えている。凍結脱臭クリーナーは、室内機の熱交換機の一部を急速に冷やすことで構築した霜のフィルターでニオイ成分や有害物質を吸着し、その霜を溶かして室外機を介して排出する。さらに、室内機の吸い込み口と吹き出し口からプラズマイオンを放出し、ニオイ成分が霜へ吸着する効果を高める。

 ファンお掃除ロボは、定期的に室内機のファン先端部分をブラッシングすることでホコリの付着を抑える他、フォンの掃除に加熱工程を用いることにより油分を含んだホコリの除去力を強化している。落としたホコリは熱交換機の汚れとともに室外機を通して自動排出される。


「白くまくん」プレミアムXシリーズの「ファンお掃除ロボ」[クリックで拡大]

 加えて、搭載されている空気清浄機能「パワフルPremiumプラズマ空清」は、吸い込み口と吹き出し口に設けたプラズマイオン発生器を進化させることで、従来機と比べ集じんスピードを約2倍に向上している。


日立ジョンソンコントロールズ空調 栃木事業所長の永田孝夫氏

 同社 栃木事業所長の永田孝夫氏は「本日出荷する新製品の白くまくんプレミアムXシリーズは『清潔エアコンは、日立。』を具現化し、顧客のニーズに応える製品であると自負している。これを生産する栃木事業所では、今回のシリーズに加え、今春から白くまくんスリムモデルシリーズの生産も開始した。“Made in Tochigi”の製品を開発/製造し、の製品を開発/製造し、日本全国に送り出すことで、栃木の製造業を一層盛り上げ、さらには日本の製造業を盛り上げていく一助になればと切に願っている」とあいさつした。

 栃木事業所は、日立ジョンソンコントロールズ空調が近年輸送費と配送期間の削減を目的に国内生産への回帰を進めている影響を受けて、重要なエアコンの生産拠点となっている。2023年には数億円の投資により室内機の生産ラインが1ライン増設されている。

 加えて、地域経済への貢献と地産地消の推奨を推進しており、2023年の繁忙期には約200人を追加雇用した。栃木事業所で購入している全部品件数のうち、2023年度(2022年10月〜2023年9月)に栃木県内の取引先から購入した件数は45%で、国内の取引先から購入した件数は70%となっている。2024年度(2023年10月〜2024年9月)中に、国内の取引先への発注金額は2022年度(2021年10月〜2022年9月)と比較して約10%増加する見込みだ。

 会場では日立ルームエアコンのイメージキャラクターである白くまくんが広報部長に就任したことが発表されたことに加えて、タレントのゆうちゃみ氏も登壇した。

【訂正】初出時に、アンバサダーを務めるゆうちゃみ氏と記載しておりましたが、アンバサダーでございませんでしたので、お詫びして訂正致します。

栃木事業所から出荷される「白くまくん」プレミアムXシリーズ(左)。出荷式には、広報部長に就任した白くまくんとタレントのゆうちゃみ氏も登壇した(右)[クリックで拡大]

5つの自動化改善事例も披露

 出荷式の後、ルームエアコンを生産している栃木事業所内の第5工場に会場を移し、生産自動化の改善事例となる「タンク自動バリ取り加工装置」「レール自動印字装置」「フィルター自動梱包装置」「EVP自動ろう付け装置」「室内部品自動供給装置」が披露された。

 タンク自動バリ取り加工装置は、2023年5月に導入されたもので、室外機内の部品であるタンクを自動でバリ取りし、状態をセンシングして、専用のシステムで状態を可視化する。これにより、人力で行っていたタンクのバリ取り作業を自動化し、1人分の作業を削減した。

 レール自動印字装置は、室内機のフィルターを構成する部品であるレールに自動で印字し、スタッキングトレーに運搬する。この装置を導入することで、印字装置の開閉やレールの設置、運搬を削減し、1人分の業務をカットすることに成功した。

「タンク自動バリ取り加工装置」(左)と「フィルター自動梱包装置」(右)[クリックで拡大]

 2023年9月に導入したフィルター自動梱包装置は、射出成形装置により生産されたフィルターを自動で指定の箱に運び梱包する。これにより1人分の業務をカットすることに成功した。

 2023年5月導入のEVP自動ろう付け装置は、ブーメランのような形状をしたパイプ部品のEVPを室内機に自動でろう付けする。従来機と比べガスコントロールサーキットシステムの量を倍の4システムとし、バーナーのピッチを半分の10mmとすることで、火力の放出を安定化させ、効率的なろう付けが行えるようになっている。

「EVP自動ろう付け装置」(左)と「室内部品自動供給装置」(右)[クリックで拡大]

 室内部品自動供給装置は2023年9月に導入しており、垂直搬送機とベルトコンベヤーを通して搬送される室内機のキャビネットドレインパン部品とフィルター部品を自動で仕分けする。これにより2人分の業務を削減することに成功した。

 第5工場は延べ床面積が3万9000m2で、板金加工、熱交換機組み立て、樹脂成型、銅管加工、室外機/室内機の組み立てを行うエリアと試験室で構成されている。室外機の生産ラインは3ラインで、室内機の生産ラインは2ラインとなっている。

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