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日系自動車メーカーの中国事業低迷続く、4カ月連続の前年割れ自動車メーカー生産動向(1/3 ページ)

日系乗用車メーカーの自動車生産は、半導体の供給改善が進む一方で、中国事業の低迷が続いている。

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 日系乗用車メーカーの自動車生産は、半導体の供給改善が進む一方で、中国事業の低迷が続いている。日系乗用車メーカー8社の2023年8月の世界生産台数は、4社が前年実績を上回り、8社合計では7カ月連続で増加したが、0.9%増と微増にとどまった。長らく続いた半導体不足からの回復で北米が好調な半面、電気自動車(EV)対応で後れを取った中国市場が足を引っ張るなど、改めて地域ごとのバラつきが目立つ結果となった。

2023年8月の国内乗用車メーカーの生産実績
国内 海外 (うち北米) (うち中国) 合計
トヨタ 238,719 560,052 200,720 142,422 798,771
21.8 ▲ 2.0 5.7 ▲ 14.6 4.1
ホンダ 51,162 287,272 148,842 88,847 338,434
16.7 ▲ 5.5 22.1 ▲ 30.9 ▲ 2.7
日産 47,997 231,240 124,402 53,331 279,237
7.1 ▲ 5.0 31.4 ▲ 43.5 ▲ 3.1
スズキ 75,770 184,583 - - 260,353
6.1 ▲ 0.1 - - 1.7
ダイハツ 69,817 75,252 - - 145,069
18.8 ▲ 1.9 - - 7.1
マツダ 54,463 33,099 20,744 7,856 87,562
▲ 11.3 6.5 12.5 78.3 ▲ 5.3
三菱自 32,636 41,589 - 0 74,225
▲ 2.4 ▲ 16.7 - - ▲ 11.0
スバル 37,075 35,180 35,180 - 72,255
▲ 12.0 36.1 36.1 - 6.3
合計 607,639 1,448,267 529,888 292,456 2,055,906
10.1 ▲ 2.5 17.8 ▲ 27.9 0.9
※上段は台数、下段は前年比増減率。単位:台、%
※北米は米国、カナダ、メキシコの合計

 8社合計の世界生産は、前年同月比0.9%増の205万5906台とプラスを確保したが、増加幅は月を追うごとに縮小している。このうち国内生産は、同10.1%増の60万7639台と、8カ月連続のプラス。マツダ、三菱自動車、SUBARU(スバル)を除く5社が増加した。半導体など部品の供給改善の効果が表れている。

 一方、海外生産は、前年同月比2.5%減の144万8267台と3カ月連続のマイナス。前年実績を上回ったのはマツダとスバルのみ。国内生産と同様に半導体の供給改善により北米は好調で、北米で生産する5社合計は前年同月比17.8%増と2桁パーセント増を記録した。

 ただ、中国は日系メーカー各社のEVラインアップの弱さが露呈しており、5社合計が前年同月比27.9%減と低迷した。7月の前年比42.0%減よりは改善したものの、4カ月連続のマイナスだった。深刻な販売不振を受けて、三菱自動車が中国での生産および販売から撤退する方針を決定するなど、日系メーカーの中国事業の行方に関心が高まっている。

→「自動車メーカー生産動向」のバックナンバーはこちら

トヨタ自動車

 メーカー別に見ると、トヨタ自動車の8月のグローバル生産台数は、前年同月比4.1%増の79万8771台と8カ月連続で前年実績を上回り、8月の世界生産として過去最高を更新した。このうち国内生産は、同21.8%増の23万8719台と8カ月連続のプラス。新型車を中心に国内市場で販売が好調な他、部品供給が回復していることが理由だ。

 輸出も前年同月比43.0%増と4カ月連続のプラスだった。とはいえ、納期の長期化は依然として解消しているとは言い難く、「アルファード/ヴェルファイア」「プリウス」「クラウン」などの新型車だけでなく、「アクア」「ヤリス/ヤリスクロス」といった量販モデルも受注を停止している。

 また、10月16日には、系列サプライヤーでばね製品を生産する中央発條の藤岡工場(愛知県豊田市)で爆発事故が発生。トヨタの多くの国内生産車種に影響が及び、最大で10日間の稼働停止を実施した。今後の国内販売の納期や輸出への影響が懸念されている。

 海外生産は、前年同月比2.0%減の56万52台と5カ月ぶりに前年実績を下回った。地域別では、北米が同5.7%増と5カ月連続の増加。半導体の供給改善効果が表れた。一方、中国は、EVシフトを含めた販売競争の激化により同14.6%減と4カ月連続の前年割れとなった。

 中国以外のアジアはまちまちで、インドネシアは前年同月比11.4%増、台湾も同32.6%増、インドは同2.2倍と好調だったものの、主力のタイは同25.0%減、フィリピンも同15.1%減、マレーシアも同5.9%減と伸び悩んだ。中国の低迷もあり、アジアトータルでは同5.6%減と3カ月連続のマイナスだった。欧州はチェコで部品工場の火災が発生し稼働停止した影響もあり、同21.6%減にとどまった。

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