深層学習を活用した3Dスキャンは従来の苦手を克服!? PFNが体験デモで訴求:CEATEC 2023
Preferred Networksは、「CEATEC 2023」のアドバンスドテクノロジーエリアにおいて、深層学習を活用した3Dスキャンサービス「PFN 3D Scan」を紹介するリアルタイム3Dスキャンデモを実演していた。
Preferred Networks(PFN)は、「CEATEC 2023」(2023年10月17〜20日、幕張メッセ)のアドバンスドテクノロジーエリアにおいて、深層学習(ディープラーニング)を活用した3Dスキャンサービス「PFN 3D Scan」を紹介するリアルタイム3Dスキャンデモを実演していた。
PFN 3D Scanは、自社開発の3Dスキャン装置と、深層学習に使われるニューラルネットワークおよび微分可能レンダリングを用いた独自技術により、従来の3Dスキャン技術が苦手としていた透明、黒色、金属といった材質の対象物であっても高品質かつ忠実度の高い3Dモデルを生成できるのが特長だ。
対象物を3Dスキャン装置の透明なターンテーブルに置き、さまざまな角度で固定された複数台のデジタル一眼レフカメラで撮影し、取得した複数の画像データから見た目を忠実に再現するテクスチャー付きの3Dメッシュデータを生成する。このとき、キーとなるのが微分可能レンダリングである。微分可能レンダリングとは、複数方向から撮影された画像と3Dモデルを見比べて、撮影画像に合うように3Dモデルを少しずつ調整していく手法のことで、これによりフォトリアルな3Dモデルが作り出されるという。
PFN 3D Scanのサービスを利用するには、公式Webサイトでアカウントを作成した後に、3Dスキャンを依頼したい対象物を登録して、指定の住所宛てに対象物を送付する必要がある。納期は約10日で、数百点におよぶ大量のスキャンにも対応する。標準プランの価格は1点2万円で、対象物のサイズは300×300×300mm以内、重量は2kg以内となっている(小型高精細プランも用意)。納品データの形式は、glTFおよびFBX。なお、模様のない深い凹みや透明なものの中に物体が入っているような形状のスキャンは精度が低下するケースもあるそうだ。また、工業製品に求められる厳密な形状精度が出せないことから、リバースエンジニアリングして設計に利用するといった用途には適さない。
「写真のようなクオリティーで形状、色、質感などを再現できるため、特にECサイトからの引き合いが多い。PFN 3D Scanで生成した商品の3Dモデルを3DビュワーやAR(拡張現実)などで360度表示することで、写真だけでは伝わらない魅力を発信することができる」(説明員)
展示ブースでは、来場者が選んだアイテムをリアルタイム3Dスキャンするデモを実演していた。デモ環境は、あえて画質を落としてスピードを重視した設定(1分間で約100枚撮影、約3分で3Dモデル生成)になっており、実際の撮影進捗(しんちょく)と3D化されていく様子を展示ブース上のディスプレイで示していた。
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