この記事は、2023年10月19日発行の「モノづくり総合版 メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。
新しい技術やツール、それらを有効活用するための新たな枠組みやルールなどをトップダウンでモノづくりの現場に導入する場合、最低限、事前に現場と対話してその必要性や効果について理解、納得してもらう必要があるかと思います。それを怠れば大問題となり、現場からの反感を買うことは明らかです。
経営層が何らかの問題意識を抱いて、その解決策として新技術やツール導入を決めること自体は決して悪いことではありません。むしろ、現場課題の解消、変化への対応、新しい事業領域の開拓といった事業継続/将来の成長に向けた意思決定を下すことは、経営層の仕事として正しいといえます。
しかし、新しい技術やツールを使うことになる現場の声を置き去りにしてしまうと、コストと労力だけが無駄となる“無意味な導入”に終わってしまいます。「ツールは導入したけど、結局使われていない」というやつですね。また、中途半端に業務プロセスの見直しにまで手を出してしまえば、改善どころか、不必要な作業や無駄なやりとりだけが増えて現場は疲弊してしまいます。現場はそんな決断をした会社(経営層)に嫌気が差すことでしょう。
さすがに、ワンマンなやり方で現場を振り回す経営層はそれほど多くはいないと信じていますが、急に訳が分からないルールを決めようとして現場を大混乱させた事例が筆者の身近に起こりました。
説明以上に圧倒的に足りていなかった想像力
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