ライドシェア解禁の議論がじわじわ、ギグワーカーの問題点の克服を
ライドシェアの解禁に向けて、大阪府や神奈川県が検討を始めたという記事を日本経済新聞で見かけました。神奈川県は夜間のタクシー不足が懸念される三浦市で、大阪府は2800万人の来場を見込む2025年の国際博覧会(大阪・関西万博)で導入を狙っているようです。
ライドシェアは、普通二種免許を持ったタクシードライバーではない、一般のドライバーが乗客を乗せて有償で移動することです。日本では「白タク」ですが、米国ではUberやLyft、アジアではGrabといった企業による「ギグワーク(短時間、単発でできる雇用契約を結ばない仕事)」です。
ライドシェア解禁に向けた議論の傍らで、タクシー業界の人手不足の深刻さは頻繁に報じられています。ドライバーがいないので稼働休止状態の車両が何台もある、配車依頼の電話を何件も断っている……といった具体的なエピソードが度々紹介されます。また、東京都内の大きな駅周辺でもタクシーがつかまらないとか、タクシードライバーは法律上の最低限の休憩でずっと運転している、といった様子もメディアで見かけました。
タクシードライバーが増えない理由はなんでしょうか。例えば日本交通は、歩合制や隔日勤務、長時間労働といった働き方や、運転や地理への不安、自分で乗客を探す流し営業などがハードルになっていると考え、短時間勤務が可能なパートタイムの乗務員を設定しました。
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