この記事は、2023年10月16日発行の「日刊MONOist」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。
カーボンニュートラルに向けたさまざまな要求が高まっています。アップルをはじめとしたグローバル企業が、次々と製品ライフサイクルのカーボンニュートラル化の目標年やカーボンフットプリントの削減目標などを発表し、サプライヤーにも関連情報の開示や削減目標の提示などを求めるようになってきています。欧州でもバッテリーパスポートなど、製品によってはカーボンフットプリントを提示する義務が規制化される動きも出ています。
MONOistでもこうした動きに対し警鐘と啓蒙の意味で、特集サイト「カーボンニュートラルへの挑戦 製造業は何をすべきか」を展開するなど、さまざまな情報発信を進めてきました。しかし、こうした話題を取り上げる一方で、本当にこうした取り組みを全ての製造業で行えるだろうか、特に中小製造業ではこうした対欧はできるのだろうかという懸念も持ち続けていました。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 中小製造業にもできる脱炭素、IVIが7社で実証を行い10万円キットの展開も開始
IVIは「IVI公開シンポジウム2023-Autumn-」を開催。カーボンニュートラルに向けたさまざまな実践的な取り組みを紹介するとともに、新たに中小製造業でも使用できる10万円のカーボンニュートラル対応キットをリリースすることを発表した。 - アップルと「100%再生可能エネルギーで作る」を約束した日本の部品メーカーは?
アップルは2030年までに全ての製品において製造のプロセス全てのカーボンニュートラル化を実現することを目標として掲げている。では、アップルに部品を提供する日本メーカーで、2030年までに100%クリーンエネルギーでの製造を約束しているのはどういう企業なのだろうか。 - 新Apple Watchはアップル初のカーボンニュートラル製品、なぜ達成できたのか
米Appleは、「Apple Watch Series 9」と「Apple Watch Ultra 2」を発表した。これらは、Appleで初めてカーボンニュートラルを達成した製品となる。 - もうけて進めるカーボンニュートラル、問題の見える化でコスト削減
欧米を筆頭に機運が高まるカーボンニュートラル。iSTCおよび旭鉄工で代表取締役社長を務める木村哲也氏は「自社のカーボンニュートラルの推進はまだ先だ、というような発想ではなく、電力料金が企業の収益を圧迫している状況」と語る。