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アステラス製薬が欧州に無菌製剤の新工場を建設、製造能力と供給体制を強化:工場ニュース
アステラス製薬は、アイルランドのトラリーに無菌製剤の新工場を建設する。無菌製剤製造ラインを導入して製造能力を強化し、グローバルにおいて安定した生産および供給体制の構築を図る。
アステラス製薬は2023年9月14日、アイルランドのトラリーに無菌製剤の新工場を建設すると発表した。2024年に建設を開始し、2028年までに操業を開始する予定だ。
3階建てとなる新工場には、無菌製剤製造ラインを導入して製造能力を強化し、グローバルにおいて安定した生産および供給体制の構築を図る。また、新たなモダリティと技術の活用により、革新的な抗体医薬品の開発を進める。
新工場は、同社のサステナビリティ経営に基づいて建設され、エネルギーと環境設計における最善の方法を採用する。環境に配慮したグリーンビルディングの国際認証プログラム「LEED」基準と比較して、水の使用量を約2分の1、操業時のエネルギー強度を3分の1以上削減するほか、埋め立て廃棄物ゼロを目指す。
建設場所は、ケリーテクノロジーパークにあるアイルランド政府産業開発庁のグリーンフィールドサイトで、総工費は約3億3000万ユーロ(約521億円)を見込む。敷地面積は約18万m2、延床面積は約1万7000m2、建築面積は約7300m2になる。
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