トヨタ自動車は2023年9月27日、ウーブン・バイ・トヨタを完全子会社化すると発表した。トヨタ自動車がウーブン・バイ・トヨタの普通株式を全て保有する。社会システムや自動車へのソフトウェア実装を加速するため、両社の関係強化を図るとしている。
ウーブン・バイ・トヨタは、2018年3月に設立されたToyota Research Institute Advanced Development(TRI-AD)にルーツを持つ。トヨタ自動車、デンソー、アイシン精機の共同出資会社として、東京都中央区日本橋に本社を構えてスタートした。
トヨタ自動車の米国子会社Toyota Research Institute(TRI)などが取り組む自動運転技術に関する研究を、トヨタ自動車本体の製品開発に橋渡しする役割を担ってきた。実験的なスマートシティーである「Woven City(ウーブン・シティ)」、車両のビッグデータを活用して新しいサービスを創出するための「モビリティサービス・プラットフォーム」や、自動運転車向け高精度地図の普及を促進する「自動地図生成プラットフォーム(AMP)」を手掛けてきた他、車載OS「Arene(アリーン)」の開発も進めている。
2021年1月には体制を大きく変更した。自動車やモビリティの枠を超えてスマートシティーなどに取り組み、役割分担を明確化するため、持株会社「ウーブン・プラネット・ホールディングス」の下、事業会社として自動運転技術を手掛ける「ウーブン・コア」と新領域の事業機会の探索に取り組む「ウーブン・アルファ」、投資ファンドの「ウーブン・キャピタル」が活動する体制とした。
2023年4月にはウーブン・プラネット・ホールディングスの社名をウーブン・バイ・トヨタに変更するとともに会社を再編、トヨタ自動車から開発を受託する体制とした。同年9月の組織改正では、デンソーとトヨタ自動車、ウーブン・バイ・トヨタの3社での連携を強化することを発表している。
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