40種類のにおいを手軽に制御し提示するカートリッジを発売:医療機器ニュース
ソニーは、におい提示装置「NOS-DX1000」のカスタムカートリッジ「NOS-CK10」を発売する。最大40種類の嗅素を、ユーザーが用途に合わせて注入可能だ。
ソニーは2023年9月5日、におい提示装置「NOS-DX1000」のカスタムカートリッジ「NOS-CK10」を同年12月に発売すると発表した。においサンプルの追加に対応する10個入りのサブカートリッジセット「NOS-SC10」、専用工具のカートリッジクランパー「NOS-JG10」も同時に発売する。
NOS-CK10は、サブカートリッジを40個同心円状に配列した構造により、最大40種類の嗅素を用途に合わせて注入できる。独自技術の「Tensor Valve」をにおい提示装置と同カートリッジに採用し、多数の嗅素を混在させることなく均一に提示する。サブカートリッジ内にあるバルブは、本体のアクチュエーター駆動と連動して開閉し、カートリッジ内の流路を通過した微量の嗅素が被験者に届く仕組みだ。
サブカートリッジをカートリッジ本体から着脱して各嗅素を注入後、カートリッジ本体にセットする。専用工具のNOS-JG10を用いて開閉すれば、においを気密度高く密閉できる。
また、本体購入の付帯サービスとして、においの提示方法をカスタマイズする専用アプリケーション「Scent Canvas(セントキャンバス)」を提供。テンプレートに基づいてにおいの提示方法を複数パターン設定できる。嗅素一覧からアイコンをタップすることで瞬時ににおいを提示できるインデックス機能や、嗅覚能力の評価やトレーニングに活用できるテスト機能が搭載されている。
テスト機能には、テンプレートを3種類用意する。提示されたにおいに対して選択肢を1つ選ぶ、複数の提示されたにおいから異なるにおいを選ぶなど、テスト形式で表示する。
NOS-DX1000は、これまで嗅覚関連の研究用途を中心に認知症領域など医療業界で利用されている。今回のカスタムカートリッジは、食品業界など幅広い業務用途への利用拡大を目的として発売される予定だ。
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