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KOAが新型酸素センサーを開発、ほぼゼロ酸素濃度からの測定が可能にSENSOR EXPO JAPAN 2023

KOAは、「SENSOR EXPO JAPAN 2023」において、新たに開発中の酸素センサーを披露した。10ppmというほぼゼロ酸素濃度から測定が可能であり、従来方式と比べて小型かつ低消費電力となっている。

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 KOAは、「SENSOR EXPO JAPAN 2023」(2023年9月13〜15日、東京ビッグサイト)において、新たに開発中の酸素センサーを披露した。10ppmというほぼゼロ酸素濃度から測定が可能であり、従来方式と比べて小型かつ低消費電力となっている。主な用途は、半導体製造装置などのプロセス制御に加え、マンホール内でのメンテナンス作業などを想定している。

KOAの酸素センサー
KOAの酸素センサー。中央にあるセンサーの左側は、想定用途の1つである半導体製造装置、右側は想定用途のもう1つであるマンホール内でのメンテナンス作業をイメージしている[クリックで拡大]

 KOAが提案してきた酸素センサーは、特定のセラミック線材に室温で電圧を加えると線材の一部が赤熱すると同時に、周辺の酸素濃度に依存した値で定電流が流れるホットスポット現象を利用している。これまで提案してきたヒューズ管型のデバイスの場合、線材の抵抗変化の影響などもあって測定範囲の下限が1000ppmとなっていた。「しかし、顧客からはもっと低い濃度を測定できないかという声が多くあり、新たなデバイスを開発することを決めた」(KOAの説明員)という。

KOAの酸素センサーの説明パネル
KOAの酸素センサーの説明パネル[クリックで拡大] 出所:KOA

 今回展示した酸素センサーは、ヒューズ管型で採用していた電圧の印加による自家発熱ではなく、ヒーターによって加熱する方式に変更した。これにより、測定温度範囲の下限が10ppmまで下げられ、ほぼゼロ酸素濃度から測定できるようになった。また、デバイスのサイズについても、外形寸法が直径5×長さ20mmのヒューズ管型から、直径10×高さ5mmの低背型となることで小型化も図られている。プリント基板への実装という観点でも、ヒューズ管型はヒューズホルダーが必要になるが、新開発の低背型はハンダを用いた表面実装に対応可能だ。消費電力も、ヒューズ管型の0.65Wと比べて3分の1以下となる0.2Wに抑えられている。

 長岡技術科学大学 准教授の岡元智一郎氏の研究室との共同開発により実用化のめどはついておりサンプル提供も可能である。「今回の出展でどのような需要があるかを見極める。顧客からの要望があれば早期に量産する準備を進めたい」(同説明員)としている。

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