アジア最大級を誇る分析機器総合展が開幕、リアルな体験を強化:研究開発の最前線
日本分析機器工業会と日本科学機器協会は共同で主催する「JASIS(Japan Analytical & Scientific Instruments Show) 2023」(2023年9月6〜8日、幕張メッセ)の概要を発表した。
日本分析機器工業会(JAIMA)と日本科学機器協会(JSIA)は2023年9月6日、共同で主催する「JASIS(Japan Analytical & Scientific Instruments Show)2023」(同月6〜8日)の会場である幕張メッセで会見を開き、JASIS 2023の概要を発表した。
コンセプトは「Come Touch JASIS」
JASISは、分析機器や科学機器、研究を効率化するシステムなどの出展やセミナーが行われる展示会としてアジア最大級の規模を誇る。JASIS 2023のコンセプトは「Come Touch JASIS」とし、見て/触れて/話して、実感できる、リアルを強調した展示会を目標に掲げた。出展社数は前年比7%増の344社で、出展小間数は同11%増の1094小間となっており、期間中の来場者数は2万人を目指す。
JAIMA 会長の足立正之氏は「コロナ禍に、Web上で多くの情報を得られる便利な世の中になった反面、顧客はリアル(な体験)を強く求めていた。そこで、JASIS2023では展示会の原点である装置/製品を直接体感できることに加え、ブースの技術員と直接会話することで、バーチャルでは得られないリアルな体験が行えるようになっている。これにより、来場者である顧客が抱えている課題の解決や新しい気付きとなるイノベーションの機会を提供したい」と語った。
さらに、ステージエリア、研究機関・学協会コーナー、インターナショナルオーガナイゼーションエリア、LabDX(デジタルトランスフォーメーション)展示コーナー、3700 DNAシーケンサー展示コーナー、関連企業・団体ポスター展示コーナーから成るゾーンとして「JASISスクエア」を設けている。JASISスクエアでは、ステージエリアでのプレゼンテーションや講演、各展示コーナーを通して企業がさまざまな製品の情報を発信できるようにしている。
JASIS 委員会 委員長の生野朗氏は「ステージエリアでの新しい取り組みとして特に注目してほしいのは、『我が社“イチ推し”フラッシュプレゼンテーション』だ。このプレゼンテーションはさまざまな企業が2分間という短い時間でイチ推しの製品を紹介するため、各社の注力製品を短時間で学べる」と話す。
LabDX展示コーナーは主催者企画ブースと出展者ブースで構成される。主催者企画ブースではラボの将来像とそれを支える国際業界標準のプロセス制御システム「LADS(Laboratory and Analytical Device Standard) OPC UA」のデモンストレーションなどを披露する。出展社ブースでは出展者によるコラボレーションソリューションの事例を紹介している。
3700 DNAシーケンサー展示コーナーは、ヒトゲノム解読完了20周年記念特別企画で、解読に使用されたプリズム3700DNAシーケンサーとシーズフロー方式キャピラリー電気泳動モジュールが展示されている。
会期中に開かれるトピックスセミナーでは、DX、先端材料、環境関連、ライフサイエンス、教育、食品といった6つのトピックスを設け、それぞれのトピックスに合わせて、合計で19テーマの講演を行う。併せて、69社による261テーマの新技術説明会も実施する。
また、JASIS 2023の人気講演とセミナーの動画や出展者の製品を掲載するバーチャル展示会「JASIS WebEXPO」(2023年7月5日〜11月30日、オンライン)も開催する。JASIS WebEXPOの特徴は、キーワードで対象の製品などを調べられる「コンテンツサーチページ」を用意しており、直感的に欲しい情報にアクセスできる点だという。さらに、JASIS 2022(2022年9月7〜9日、幕張メッセ)やJASIS関西 2023(2023年2月1〜3日、グランキューブ大阪)の人気セミナー動画の一部も公開する予定だ。
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