MIモデルを活用した研究開発組織向けデータ活用プラットフォームを提供:マテリアルズインフォマティクス
アイデミーは、研究開発組織向けのデータ活用プラットフォーム「Lab Bank」の提供を開始した。材料開発に情報科学を活用するマテリアルズインフォマティクス領域のサービスを提供し、材料開発の効率化を促進する。
アイデミーは2023年7月31日、研究開発組織向けのデータ活用プラットフォーム「Lab Bank(ラボバンク)」の提供を同日に開始したと発表した。材料開発に情報科学を活用するマテリアルズインフォマティクス(MI)領域のサービスを提供し、材料開発の効率化を促進する。
Lab Bankは、インターネットを介して提供されるSaaS(Software as a Service)で、データを一元管理するため、各研究員は情報をスムーズに共有できる。データが暗黙知から形式知になるため、ナレッジシェアにもつながる。また、研究室のさまざまな特性に、入力項目や実験工程をカスタマイズしたデータベースを作成できる。
これまでの実験結果を基に、MIの物性予測機能を活用して実験結果を予測できる。これにより、実験の回数や時間、コストの削減が見込める。
同社はこれまで、オンラインDX(デジタルトランスフォーメーション)ラーニング「Aidemy Business」、DX実践研修「Aidemy Practice」、プロジェクトの企画から運用までを支援する「Modeloy」などのサービスを提供してきた。これらとLab Bankを連携することで、人材育成から現場での運用まで一貫した支援体制を強化し、MI領域における企業のDX化を進めていく。
Lab Bankは、今後のアップデートにより、蓄積したデータを基にした定型レポートの出力機能などを追加する予定だ。
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