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ガラス並みの硬度を持つ、高硬度プラスチック魚眼レンズユニットを開発:組み込み開発ニュース
ニデックインスツルメンツは、ガラスと同程度の高い硬度を持つ、プラスチック魚眼レンズユニットを開発した。高度なプラスチック技術により、鉛筆硬度6〜7H以上というガラス並みの耐久性を備えている。
ニデックインスツルメンツは2023年7月27日、ガラスと同程度の高い硬度を持つ、プラスチック魚眼レンズユニットを開発したと発表した。同年度中に中国で生産を開始し、その後はグローバルでの拡販を予定している。
自動車の周辺確認や車内監視の用途を想定し、魚眼レンズユニットの最外レンズに高硬度プラスチックレンズを採用している。同社の高度なプラスチック技術を使用し、鉛筆硬度6〜7H以上というガラス並みの耐久性を備えた。
前面に配置するL1レンズをプラスチック化したことで、三日月のようなメニスカス形状でも曇りにくくなった。保存温度は−40〜+115℃、動作温度は−40〜+105℃に対応し、レンズの反射率は1%未満となる。
車載カメラは自動車内外の過酷な環境下にあるため、従来は耐久性の高いガラス製レンズが主流だった。同製品は、プラスチックでガラス並みの耐久性があり、ドローンやウェアラブルカメラなどの分野でも軽量化に貢献できる。
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