オムロンが積載重量650kgのAMR、中可搬重量域強化で全搬送工程を自動化へ:無人搬送車
オムロンは最大積載重量650kgのAMR「MD650」を2023年7月17日から日本国内で発売すると発表した。
オムロンは2023年7月14日、オンラインで記者会見を開き、同月17日から日本国内で販売する最大積載重量650kgのAMR(自律型走行ロボット)「MD650」について説明した。
MD650は本体サイズが944×1194×320mmで、最高速度毎秒2.2mの走行性能を持つ。先進のバッテリーおよび充電技術を導入し、30分の充電で8時間稼働する。産業用AGV(無人搬送車)の最新の国際標準規格である「ISO3691-4」に対応しており、今後、既存ラインアップへも拡充を図る。高度なナビゲーション機能、障害物回避アルゴリズムの採用で狭い通路でもスムーズに走行する。本体重量は220kgで、その他にバッテリーが29kg。生産は米国で行う。
製造現場では人手不足の問題や多品種少量生産の進展などから、AGVやAMRを活用した搬送自動化が進んでいる。オムロンではこれまでに最大積載重量60kgのAMR「LD-60」、同90kgの「LD-90」、同250kgの「LD-250」、同1500kgの「HD-1500」を展開してきた。米国や欧州、日本など40カ国以上で4000台を超える導入実績を持つ。
異なるモバイルロボットのモデルも単一システムで最大100台まで制御できる他、同一経路でのすれ違い精度の高さや、タクシー乗り場のように同じ場所への連続したロボットの受け渡し、最適なタイミングで充電できることなども特長だ。また、制御ソフト「FLOW Core」はライセンスを追加購入することで機能をアップデートでき、AMRを更新/購入する必要はない。
今回の「MD650」および2023年内に発売予定の積載重量900kgのモデルを追加することで中可搬重量域をカバーし、工程内搬送は中小型モデル、材料や完成品搬送は中大型モデルと、全搬送工程にまたがった搬送自動化を実現する。市場は急拡大しており、オムロンではAMRの売り上げを今後2年で2倍に高める。
コンベヤーや台車、パレットリフターなどの標準アプリケーションも協力企業とともに拡大させる。
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