エプソンがスカラロボット新シリーズ投入、高速精密動作で生産性向上:産業用ロボット
エプソンは、コンパクトかつ高精度な産業用スカラロボット「GX」シリーズの受注を開始した。独自の技術を取り入れたジャイロセンサーを搭載し、工数の削減と生産性の向上に貢献する。
エプソンは2023年7月3日、コンパクトかつ高精度な産業用スカラロボット「GX」シリーズの受注を開始した。「GX4」「GX8」「GX10」「GX20」の4モデルを展開し、価格はGX4が112万5000円〜、GX8が156万5000円〜、GX10が171万5000円〜、GX20が191万5000円〜となっている(各税別)。
GXシリーズの最大可搬質量は4〜20kg、アーム長は250〜1000mm。ロボットアームには超小型ジャイロセンサーを搭載し、「GYROPLUS Technology(ジャイロプラステクノロジー)」に対応する。
動作中のアームの振動を抑え、高速移動でも指定ポイントで正確に止まる制動能力を備える。また、力覚センサーシステムの搭載により、高速な搬送作業だけでなく、精度が求められるねじ締めや押し圧検査などの作業にも適用できる。
GYROPLUS Technologyは、同社のコア技術となる自社製水晶素材とMEMS技術を組み合わせたジャイロセンサー、ロボットアーム先端の振動をリアルタイムでコントローラーにフィードバックするロボット制御技術を搭載する。精密部品や電機電子部品への高精度なアプローチを可能にし、工数の削減と生産性の向上に貢献する。
ロボット本体と新たなロボットコントローラー「RC-700E」は安全機能を装備し、安全規格「ISO10218-1」に対応。統合ソフトウェア「EPSON RC+7.0」の有償オプション機能「安全速度監視機能(SLS)」「安全位置監視機能(SLP)」を併用することで、安全領域内でエリアセンサーなどと連携した、より安全でダウンタイムの少ない運用が可能になる。
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