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5Gはインドが市場拡大をけん引、日本はミッドバンドを活用できるのか製造業IoT(2/2 ページ)

エリクソン・ジャパンが2023年6月に発表した「エリクソン・モビリティレポート」を紹介。今後はインドが5G市場拡大のけん引役となることや、5G体験におけるミッドバンドの重要性などについて説明した。

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5G体験のスイートスポットになるのがミッドバンド

 なお、セルラーIoT(モノのインターネット)の接続数は、2022年に27億、2028年に50億台半ばとしており、2022年11月のエリクソン・モビリティレポートから大きな変更はない。ただし、通信速度が数M〜数十MbpsのブロードバンドIoT市場に向けては、2024年ごろからRedCap(Reduced Capability)対応のデバイスが登場する見込みだ。IoT向けに機能を削減して消費電力を抑えたRedCapは、主にウェアラブル端末などの採用が想定されている。

セルラーIoT接続数の推移
セルラーIoT接続数の推移[クリックで拡大] 出所:エリクソン・ジャパン
5G技術の市場での準備状況
5G技術の市場での準備状況。一番下にあるのがRedCapで2024年ごろの登場が想定されている[クリックで拡大] 出所:エリクソン・ジャパン

 また、5Gの普及でミッドバンドの果たす役割が大きいという指摘もあった。5Gは、ミリ波帯などのハイバンド、6GHz以下のサブ6と呼ばれる周波数帯を用いるミッドバンド、1GHz以下のローバンドという3つの周波数帯から構成されている。これらのうち、5G体験のスイートスポットになるのがミッドバンドだ。5Gの普及で先行する北米と中国は、ミッドバンドの人口カバレッジが80〜90%と極めて高い。その一方で西欧は、5Gの普及は進んでいるもののミッドバンドの人口カバレッジと大きな差がある。

各地域の5Gミッドバンドの人口カバレッジ
各地域の5Gミッドバンドの人口カバレッジ[クリックで拡大] 出所:エリクソン・ジャパン

 現在の日本市場における5Gのミッドバンドの人口カバレッジは高いとは言えない状況にある。これは、4Gで先行してミッドバンドに当たる周波数帯を活用してきたためだ。足元では、これら4Gのネットワークを支える基地局を5Gに対応させるNR化が進んでおり、今後1〜2年かけて転換していくことになりそうだ。

 また、5Gの実力を引き出す基地局側の技術として多素子アンテナを用いるMassiveMIMOが重要な役割を果たすという。鹿島氏は「既存の4Gの基地局をNR化しても、アンテナが大きくなるMassiveMIMOを設置するには技術的障壁がある。エリクソンでは、より小型でMassiveMIMOを実現するソリューションを提案しており貢献できるのではないかと考えている」と述べている。

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