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5Gの人口カバー率は2022年に15%へ、セルラーLPWAの普及も進む製造業IoT(1/2 ページ)

「エリクソン・モビリティレポート」によれば、2022年には世界の5G加入契約数が5億件を突破し、人口カバー率は15%に達するという。また、同じく2022年には、広域IoTデバイスの70%が何らかのセルラー技術を利用していると予測している。

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エリクソン・ジャパンの藤岡雅宣氏
エリクソン・ジャパンの藤岡雅宣氏

 エリクソン・ジャパンは2017年8月21日、東京都内で会見を開き、同年6月に発表した「エリクソン・モビリティレポート」について説明。同社CTOの藤岡雅宣氏は「2022年には世界の5G加入契約数が5億件を突破し、人口カバー率は15%に達する」と述べ、北米、韓国、中国、日本で5Gの導入が進展するという見通しを報告した。

 エリクソン・モビリティレポートは、エリクソン(Ericsson)が半年に1回発行している、世界のモバイル通信市場のトレンドに関する最新調査レポートである。2017年第1四半期(1〜3月)時点でのモバイル加入契約数は75億件となり、世界人口の約74億人よりも多くなった。また、LTEの加入契約数が21億件と伸びる一方で、GSM/EDGEは減少傾向にあり「GSMがLTEに置き換わっており、2018年には、GSM/EDGEに替わってLTEが最大の加入契約数の無線方式になる」(藤岡氏)としている。

 5Gについては、ロードマップを紹介しつつ、各地域でどのように導入が進んでいくかを説明した。5Gは大まかに分けて2つの技術がある。1つは、制御信号に既存のLTEを用い、データ送信に5Gに相当する新技術を用いる「NSA(Non-Standalone)」。もう1つは、LTEを用いずに、制御信号もデータ送信も5Gを用いる「SA(Standalone)」である。標準化については、NSAが2017年末、SAが2018年半ばに策定を完了する予定だ。

5Gのロードマップ
5Gのロードマップ(クリックで拡大) 出典:エリクソン・ジャパン

 NSAを使っていち早く5Gを導入しようとしているのが米国だ。2017年後半から、光ファイバー回線(FTTH)を代替する固定無線アクセス(FWA)に利用する計画である。同じくNSAを用いる計画なのが韓国と日本だ。韓国は2018年開催の平昌冬季オリンピックで商用化前のデモ導入を、日本は2020年開催の東京オリンピックで商用デモ導入を行う。

 一方、SAを志向しているのが中国。同国最大の通信事業者である中国移動通信(チャイナモバイル)が、2020年から中国内の全ての基地局でSAに対応する5Gの設備を一気に導入していく方針を示している。

 5Gは、LTEで使用している数GHzよりもはるかに高い通信周波数帯を利用することが見込まれている。例えば日本の場合、4.5GHz帯と28GHz帯を用いる予定だ。これらの新しい周波数帯(NR:New Radio)だけで、モバイル通信をいきなり面的にカバーするのは難しい。このため、既存のLTEを活用するNSAから導入を始める地域が多い。ただし中国については、比較的低い通信周波数帯である3.5GHzを用いること、チャイナモバイルの面的な設備導入計画もあってSAを志向している。

5Gの無線アクセス5Gに向けたネットワークの進化 5Gの無線アクセス(左)。一般的に、NRは高い周波数を用いるため、5Gの導入初期はLTEを活用するNSAとなる見込み(中国を除く)。5Gに向けたネットワークの進化(右)。パケットコアも初期はLTEのEPCを用いることになりそうだ(クリックで拡大) 出典:エリクソン・ジャパン

 2022年の世界の5G加入契約数が5億件を突破するという予測は、これらの地域における5Gの導入の進展が基になっている。

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