手袋でできる脱炭素、中古のカーペットや漁網を再活用:脱炭素
安全手袋メーカーのウィードは、「第18回 ライフスタイルWeek【夏】」で、イタリアの素材メーカーAquafilが開発した環境配慮素材「ECONYL」を用いた手袋を披露した。
安全手袋メーカーのウィードは、「第18回 ライフスタイルWeek【夏】」(2023年7月19〜21日、東京ビッグサイト)内の「第3回 【国際】サステナブルグッズEXPO」に出展し、イタリアの素材メーカーAquafil(アクアフィル)が開発した環境配慮素材「ECONYL(エコニール)」を用いた手袋を披露した。
ECONYLは、中古のカーペットや漁網で使用された網などの廃棄物を回収し、分解および加工して作成されたケミカルリサイクルの再生ナイロン素材だ。1万トン(t)の通常のナイロン素材をECONYLに置き換えると、7万バレルの石油を節約できる他、6万5100tのCO2排出量を減らせるという。
ウィードの説明員は「当社はECONYLを採用した指出し手袋を2023年5月から販売している。この指出し手袋は通常タイプと滑り止めタイプの2種類があり、通常タイプはECONYLとポリウレタンで構成され、滑り止めタイプはECONYL、ポリウレタン、塩化ビニール樹脂から成る。通常のナイロン手袋からこの手袋に置き換えると、約22mlの石油を節約でき、約130gのCO2排出量を削減可能だ。そのため、1年間に240日間働く1000人の従業員の通常ナイロン手袋をECONYL製の手袋に置き換え、1週間の交換頻度で使用すると、約6.2tのCO2排出量削減を実現する」とコメントした。
今後は、滑り止め部分にポリウレタンをコーティングしたECONYL100%の手袋や、ECONYL、ポリウレタンの滑り止め部分、ポリエチレン(PE)の耐切創繊維で構成される手袋も販売する予定だという。
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