転職に関する5カ国比較調査、日本は昇進意向や転職希望理由に他国と差あり:キャリアニュース
Indeed Japanが「転職」に関する日米英独韓の5カ国比較調査の結果を発表した。転職したい理由として、日本の最多回答が「職場に不満や嫌なことがある」だったのに対し、他の4カ国は「不満はないが自分にとってプラスになる」が多かった。
Indeed(インディード)の日本法人であるIndeed Japanは2023年6月27日、「転職」に関する5カ国比較調査の結果を発表した。
同調査の対象者は、日本、米国、英国、ドイツ、韓国で現在就業中の20〜50代男女正社員(無期雇用、フルタイム就業者)で、合計8848人から回答を得た(日本4368人、米国1600人、英国、ドイツ、韓国各960人)。
まず、仕事に関する考え方を尋ねたところ、日本は4人中3人が「仕事よりもプライベートを優先する」「仕事はお金を稼ぐための手段である」と回答しており、5カ国中1位だった。「仕事で昇進、昇格したい」の回答が最も多かったのはドイツで、79.7%を占めた。米国、英国、韓国も7割前後だが、日本は46.4%となっており、これは最下位だった。
次に、現在の勤務先への満足度を尋ねたところ、「満足」「とても満足」と回答したのは日本では41.5%だった。米国は85.2%で、日本の2倍以上高くなっている。なお、英国は79.6%、ドイツは77.3%、韓国は70.2%だった。いずれの国も日本と大きな差があり、日本の勤務先に対する満足度が顕著に低いことが浮き彫りになっている。
転職経験については、日本は「転職経験率」が59.7%となっている。各国の「転職経験率」を見ると、米国90.1%、英国92.7%、ドイツ84.2%、韓国75.8%で、転職経験者の割合は日本が最も少なかった。
「転職についてのイメージ」は、日本の1位は「新しいことにチャレンジできる」(36.6%)、2位が「職場環境を変えられる」(36.1%)、3位が「自身のスキルアップや経験を積むことができる」(34.7%)となり、転職に前向きなイメージを持っている人が多かった。転職にポジティブなイメージを持っているのは5カ国共通だった。
転職理由、日本は「職場に不満がある」他国は「自分にプラスになる」
「転職したい理由」は、日本は最も多かった回答が「現状の職場に不満や嫌なことがある」で40.9%だった。他の4カ国はいずれも「現状の仕事に大きな不満はないが、自分にとってプラスになる可能性がある」が多く、45.0%以上を占めている。
「転職に期待すること」は、日本でも転職に期待を寄せる人は多く、「給与を良くしたい」の52.8%に次いで、3人に1人以上となる34.9%が「やりがいを感じたい」と回答している。
「転職しない理由」は、5カ国共通で「安定した給料がある」が1位だった。2位は日本が「転職したい会社、仕事がみつからない」(27.8%)、米国、英国、ドイツが「転職する程の不満がない」で、韓国は「新しい職場の人間関係やカルチャーが合わないことが不安」となっている。
「転職時に応募してもよいと思える給与」は、日本は「今の給与とおおむね同程度の求人」が74.6%、「今の給与より1割程度低い求人」は42.8%だった。どちらも5カ国中、最も割合が高く、日本は転職時に給与が上がらないこと、減ることについての抵抗が小さいことが分かった。
「転職して良かったこと」は、日本の1位は「プライベートの時間が取りやすい」(33.9%)だった。5カ国中で最も多くなっている。また、5カ国共通で「給与が良い、あがった」が上位となり、日本は32.1%で2位、他国は34.0%以上で1位となっている。日本では、転職経験者の8割以上が転職による何らかのメリットを感じているようだ。
「キャリア形成のためにかける金額」は、日本は1カ月当たりの平均が7479円で、半数以上が「0円」と回答した。月収のうちキャリア形成のためにかける金額の割合は1.6%で5カ国中最下位となっている。この割合が最も高かったのは韓国の4.8%だった。これは日本の3倍に相当し、日本円に換算すると平均約3万1946円になる。
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