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NTT、富士通の光伝送プラットフォームを次期光コアネットワーク検証機に採用:製造ITニュース
富士通の光伝送プラットフォーム「1FINITY Ultra Optical System」を、日本電信電話が次期光コアネットワーク構築向け検証機として採用した。光1波当たり1.2TB秒の大容量伝送や、800GB秒での長距離伝送用途に適している。
富士通は2023年6月6日、同社の光伝送プラットフォーム「1FINITY Ultra Optical System」を、日本電信電話(NTT)が次期光コアネットワーク構築向け検証機として採用したと発表した。検証機は2023年度上期中に納入する。
「1FINITY Ultra Optical System」を構成する、トランスポンダー(光送受信機)「1FINITY T900」(左)とラインシステム(光波長多重装置)「1FINITY L900」(右) 出所:富士通
NTTは、高速大容量通信や膨大な計算リソースなどを提供可能な革新的ネットワーク、情報処理基盤を構築するIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想を掲げている。
さらに、IOWN構想を支える技術として、全領域で光(フォトニクス)を用いて通信するオールフォトニクスネットワーク(APN)の構築を進めている。APNは低遅延、低消費電力ながら、大容量伝送が可能な通信ネットワークだ。
1FINITY Ultra Optical Systemは、IOWNグローバルフォーラムが策定したOpen APNの仕様を満たしている。また、光1波当たり1.2TB秒の大容量伝送や、800GB秒での長距離伝送用途に適している。
NTTは、1FINITY Ultra Optical Systemの大容量伝送、低遅延、低消費電力といった特徴や、柔軟にネットワーク構築できるオープンアーキテクチャシステムである点を評価して採用を決定した。
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