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紫外線照射ロボットによる除菌システムの製品化を目指して業務提携:医療機器ニュース
島津製作所は、Shyld AIと技術提携契約を締結した。人が立ち入った範囲を紫外線照射ロボットが効率的に除菌するシステム「UVシュート」の製品化を目指す。
島津製作所は2023年6月19日、ロボットによる紫外線(UV)照射を用いた除菌システム「UVシュート」の製品化を目指し、Shyld AIと技術提携契約を締結した。Shyld AIは、AI(人工知能)やロボット技術を用いた装置を開発する米国シリコンバレーのスタートアップ企業だ。
UVシュートは、天井に設置するUV除菌ロボットと除菌ロボットを管理するソフトウェアで構成されており、人が立ち入った範囲を効率的に除菌する。
UV除菌ロボットには、UV照射機構、AI機能付きカメラ、人感センサーなどを搭載。ソフトウェア上でユーザーが設定したエリアに人が入ると、AIを用いて汚染箇所を認定する。その後、除菌が実施されるが、UV照射の順番や時間は、人の滞在時間や前回照射からの時間などを勘案した汚染スコアに基づいて、自動で決定する。
一般的に、感染症対策としての除菌は、人が触れる物体をアルコールで拭くことで実施する。しかし、手作業による除菌には、作業にかかる手間や拭き残し、拭き取りの際の感染リスクなど課題がある。
島津製作所は、既にUVシュートのプロトタイプ開発を完了しており、製薬や臨床、介護、食品など幅広い市場や用途での活用について調査中だ。
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