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水害時の住民避難や災害対応の迅速化に貢献するIoT浸水深センサー:組み込み採用事例
積水樹脂と三井住友海上火災保険は、水害被災地の住民避難や災害対応の迅速化に貢献するIoT浸水深センサーを共同開発する。浸水深データを保険会社と連携することで、浸水建物に対する現地調査の簡略化や迅速な保険金支払いが可能になる。
積水樹脂は2023年6月15日、三井住友海上火災保険と共同で、浸水時における被災地の住民避難や災害対応の迅速化に貢献するIoT(モノのインターネット)浸水深(浸水域の地面から水面までの高さ)センサーの開発を開始すると発表した。
積水樹脂は、LPWA(低消費電力広域)ネットワークの一つであるSigfoxを活用し、災害時における地上の浸水深を遠隔で把握できるIoT浸水深センサーの開発を担当する。また、保険金の支払いに使用できる浸水深データの取得やクラウドを通じたデータ提供についても検討する。
三井住友海上火災保険は、クラウドに送信された浸水深データをデータベース化するとともに、アラートシステムを構築。浸水深データを活用した保険金支払いシステムの開発も計画している。
同センサーを建物に設置して、浸水深データを保険会社と連携することで、浸水した建物に対する現地調査を簡略化でき、迅速な保険金支払いが可能となる。また、データを官民で連携することで、浸水状況を速やかに把握できるため、迅速な情報発信や災害対応が可能になる。
両社は同取り組みを「地域防災EXPO」(2023年6月28〜30日、東京ビッグサイト)に共同出展する予定だ。
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