パナソニック インダストリーはコア事業を軸に成長、高性能サーバで新たな動きも:FAニュース(2/2 ページ)
パナソニック インダストリーはオンラインで開催された「Panasonic Group 事業会社戦略説明会 2023」において、中長期戦略の進捗と今後の取り組みについて説明した。
コア事業は生産能力の拡大など取り組む、自動実験室で開発効率化も
コア事業ではEV(電気自動車)リレーは統合モジュール化によって高い遮断性能を実現するとともに、使用部材の内製化を進めコスト低減と性能向上を図り、現在の市場シェア4割を維持、強化する。
車載向けのアルミハイブリッドコンデンサーはASEANを中心にグローバル展開を加速する。具体的にはマレーシアに生産拠点を設け、供給能力を拡大し、コスト競争力を強化する。機能性コンデンサーとして現在の主力標品であるSP-CapやPOSCAPを上回る事業へと育てる。
これらの成長を加速させるため、スマートラボの導入を進める。実験計画に基づいて、遠隔操作が可能で365日24時間無人運転ができる実験室として、完全自動実験室をコンデンサー向けに導入を進めており、今後は電子部品材料やサーボモータなどにも展開していく。自動実験室を従来進めていたAIやMI(マテリアルズインフォマティクス)などの活動と組み合わせて、研究者の経験や勘、労働時間に頼っていた材料開発のプロセスを高度化、短期化する。
同社は2024年に東京で新たな拠点を開設するが、エンジニアリングチームは東京にいながら大阪にあるスマートラボを活用することができるという。
重点市場の1つである中国では、現地での自己完結体制をさらに進化させる。マネジメントや商品開発の現地化を一層加速し、現地に適したスピードとコストで協力を高める。中国以外では、xEV用のフィルムコンデンサーなどのニーズが高い地域である欧州拠点を拡大する。車載リレーはベトナムでの生産を広げる。次世代サーボモータの日本における生産、投入を進める。
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