自走式ロボットで工程間搬送を自動化、大小のシートを双腕でハンドリング:協働ロボット
川崎重工業は「JISSO PROTEC 2023 (第24回実装プロセステクノロジー展)」において、自走式ロボット「TRanbo-7(トランボセブン)」による工程間搬送や、双腕スカラロボット「duAro」による大判シートのハンドリングの自動化ソリューションを展示した。
川崎重工業は「JISSO PROTEC 2023 (第24回実装プロセステクノロジー展)」(2023年5月31日〜6月2日、東京ビッグサイト)において、自走式ロボット「TRanbo-7(トランボセブン)」による工程間搬送や、双腕スカラロボット「duAro」による大判シートのハンドリングの自動化ソリューションを展示した。
TRanbo-7は最大可搬重量7kgの小型汎用ロボット「RS007L」に、同じく川崎重工が開発した走行部を組み合わせたパッケージ商品だ。アームと走行部は同じコントローラーで制御しており、1つのティーチングペンダントでどちらも操作可能になっている。機器構成をシンプルにし、低コスト化を図っている。
JIS規格で推奨される工場通路幅800mmを走行できるように、車体は830×612×900mmのサイズで設計されている。走行は磁気誘導方式で、最高速度は毎秒1mとなっている。リチウムイオン電池のバッテリーを搭載しており、オプションで非接触充電を採用することも可能だ。
ブースではTRanbo7が2つの作業台を往復しながらピック&プレースを繰り返していたが、片方の作業台で動作している間に非接触で充電しており、今回のデモ内容の作業なら手動で充電することなく稼働し続けることが可能だという。停止位置のずれはオプションで内蔵可能なビジョンによってアライメントを認識し、アームの動きを補正して作業をしていた。
安全対策としてレーザースキャナーが常時監視しており、走行時やアームの動作時に人やものを足元で検知した場合に減速する警告領域と、非常停止する防護領域の2つのエリアを設定できる。
duAroは双腕の間隔を変えることでサイズの異なるシートを同一のハンドで吸着し、太陽工業の手動最終外観検査装置に投入し、取り出す動作を披露した。duAroは協働ロボットとして安全柵を設けずに稼働させることができる他、キャスター付き台車により移動、設置が容易になっており、工程変更などに柔軟に対応できる。
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