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BASFが中国でリチウムイオン電池向け負極用バインダーの生産設備を増強:工場ニュース
BASFは、リチウムイオン電池向け負極用バインダーの生産設備を増強する。中国にあるディスパージョン生産工場のうち、江蘇省と広東省の2工場に対して投資し、年産10万t超の生産能力を確保する。
BASFは2023年5月16日、リチウムイオン電池向け負極用バインダーの生産設備を増強すると発表した。中国にある3つのディスパージョン生産工場のうち、江蘇省と広東省の2工場に対して投資し、年産10万t(トン)超の生産能力を確保する。
今回の投資で2工場を改修し、既存製品に加えて、改質スチレンブタジエンゴム(SBR)をベースにした「Licity(リシティー)」「Basonal Power(バソナールパワー)」を生産する。2023年半ばには、両シリーズを拡大して新製品を販売する予定だ。
EV(電気自動車)の普及など、リチウム電池は今後も需要拡大が見込まれている。同社は、高性能な負極用バインダーを拡大することで、電池の高容量化、充放電サイクル安定性の向上、充電時間の短縮に寄与する考えだ。
リチウムイオン電池で電極の活物質を結着するバインダーは、電池の性能や安定性に大きく影響する。また、コロイド安定性が高いSBRベースの水系バインダーは、一定の粘度を確保するための増粘材であるカルボキシメチルセルロース(CMC)などの共結合剤と相性が良い。
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