ヒョンデ日本再参入から1年、ユーザーの声を反映した年次改良モデル:電動化
Hyundai Mobility JapanはEV「IONIQ5」の年次改良モデルと限定仕様モデルを発売した。
Hyundai Mobility Japan(現代自動車、ヒョンデ)は2023年5月16日、東京都内で会見を開き、EV(電気自動車)「IONIQ5(アイオニック5)」の年次改良モデルと限定仕様モデルを発売したと発表した。
年次改良モデルには、ユーザーからの意見や要望を反映させて、充電前にバッテリー温度を上昇させる「バッテリープリコンディショニング」と、充電の初期出力を一時的に高める「ブーストチャージングプログラム」を採用した。充電器が対応していれば、最初の8分間を101kWで充電できる。また、従来は最上級グレードのみ設定していたAWDモデルを中間グレードの「Voyage」にも設定した。
限定仕様モデルは、100台を用意する。専用ボディーカラーもしくは年次改良で新たに加わったボディーカラーから選択できる。さらに、デジタルサイドミラーを採用した。サイドミラーの位置に装着されたカメラの映像を有機ELディスプレイに表示する。視野角が従来のサイドミラーと比べて11度広くなるという。駐車など後退時には自動で映像がズームアウトし、より広範囲を確認できる。また、従来のサイドミラーよりも筐体が小さいため、死角の低減にも貢献するとしている。
3年間の定期点検や車検などの費用を負担する「アシュアランスプログラム」も開始する。今後受注する車両だけでなく、過去に販売したアイオニック5も対象となる。新車登録後3年目の車検ではバッテリークーラントの無償交換も行う。バンパーやドアミラー、フロントガラス、タイヤの修理にも対応する。毎年いずれか1件まで、年間最大10万円分までの修理を無償で行う。
1年間の手応えは
ヒョンデの日本再参入から1年が経過した。アイオニック5は関東を中心に全国で700人のユーザーを獲得したという。新技術に関心が高い「アーリーアダプター」や40〜50代がユーザー層に多い。
オンライン販売がメインだが、横浜市港北区に開設した直営のブランド体験拠点「カスタマーエクスペリエンスセンター」、ショッピングモールなどに出展する「シティーストア」、ホテルや書店などに車両を展示する「モビリティラウンジ」などを通じて試乗や実車を確認するなどオンラインでは難しい部分をカバーする機会を提供してきたという。また、全国の協力整備工場やオートバックスグループとの協業など整備ネットワークの構築にも取り組んだ。愛知県の三河港近くに納車前整備拠点を新設し、納車までにかかる期間の短縮も進める。
会見に出席したヒョンデ本社 副社長の柳源夏氏は「前回日本に参入したときは、日本に合わないラインアップを展開しており、それが敗因になった。現在も日本の輸入車のシェアは低いが、気候変動対策への関心が高まり、新たなチャンスだとみている。1年間で日本でのブランド認知度を高める成果が得られた。シェアや台数とは別に、顧客体験で満足度を高めていくことを重視する」とコメントした。
2023年後半にはEV「コナ エレクトリック」を日本にも導入する予定だ。
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