この記事は、2023年5月15日発行の「日刊MONOist」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。
先週は東芝の2022年度(2023年3月期)の決算発表がありました。東芝というと、“物言う株主”のさまざまな要求への対応で経営が迷走したことから、その対策として2023年3月には日本産業パートナーズ(JIP)をはじめとする国内企業を中心とした企業群の買収提案を受け入れることを発表しています。決算会見では特にその先の説明はありませんでしたが、「企業価値を高めるための良いスキームだと考えている」(東芝 代表執行役専務 CFOの平田政善氏)とするなど、社内では前向きに受け止める動きがあることを示していました。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 東芝は一時的要因で減益に、2023年度はパワー半導体などの設備投資を強化
東芝は、2022年度の連結業績を発表。HDD関連事業や発電システム事業などによる一時的要因から前年度比で減益となっている。 - 東芝は迷走に終止符を打つか、JIP含む国内連合の買収提案を受け入れ非公開化へ
東芝は、JIPをはじめとする国内企業を中心とした企業群の買収提案を受け入れることを発表した。TOBにより非公開化を進める。東芝では経営再建の過程で多くの“モノ言う株主”が参画し、経営陣の示す方針が二転三転する迷走状態に陥っていた。非公開化を進めることで経営の安定化を図る。 - 東芝が新経営方針を発表、非中核だった昇降機も照明も東芝テックもコア事業に
東芝が新たなグループ経営方針を発表。以前に非注力事業とされた昇降機事業や照明事業、東芝テックも含めた傘下の各事業をコア事業と定め、これらコア事業から得られるデータの活用が可能なプラットフォームの構築によるDXを進めた後、2030年以降に量子技術によって各プラットフォームが最適化されるQXを目指す。 - 株式非公開化進める東芝、経営迷走の経緯を振り返る
MONOistに掲載した主要な記事を、読みやすいPDF形式の電子ブックレットに再編集した「エンジニア電子ブックレット」。今回は、株式の非公開化を決めた東芝の過去の経営方針の変転についてのニュース記事をまとめた「株式非公開化を進める東芝、経営迷走の経緯を振り返る」をお送りします。