AGCの2023年初は増収減益、高砂事業所で液晶用ガラス基板の生産を終了し収益改善:製造マネジメントニュース(2/2 ページ)
AGCは、2023年12月期第1四半期の売上高は前年同期比165億円増の4892億円となるも、営業利益は同235億円減の342億円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は同85億円減の221億円となったと発表した。
2023年12月通期の業績見通し
2023年度の通期業績は売上高が前年比1141億円増の2兆1500億円、営業利益が同517億円増の1兆300億円となる見通しだ。宮地氏は「2023年2月に発表した業績から変更なしだ」という。
セグメント別では、化学品事業は、エッセンシャルケミカルズが2022年末をボトムに市況は緩やかな回復を見込むが、年間で前年水準を下回ると予想している。パフォーマンスケミカルズでは、半導体関連や輸送機器分野を中心にフッ素関連製品の需要が堅調に推移し出荷が増えるとみている。
電子事業では、ディスプレイは液晶用ガラス基板で構造改革施策を推進するだけでなく、需要の回復と原価償却費負担の減少により収益を改善する。加えて、ディスプレイ用特殊ガラスは主要な顧客からの受注を拡大し出荷を増やす。電子部材はオプトエレクトロニクス用部材がスマートフォン市場の減速により踊り場となるが、半導体関連部材はEUV露光用フォトマスブランクスを中心に堅調に推移する見込みだ。プリント基板材料は通信インフラや車載向け需要の拡大により出荷を増やす。
オートモーティブ事業では、半導体を中心とした部品供給不足の影響の緩和により自動車の生産台数が緩やかに回復し、自動車用ガラスの出荷が増える見通しだ。さらに、これまで取り組んできた価格政策が発現し、欧州をはじめとする構造改善効果が現れるとしているが、人件費や欧州を除く地域での原燃料価格の上昇継続を見込む。
建築ガラス事業では、欧州でインフレや景気減速などの懸念があるものの、エネルギー削減を目的に高断熱ガラスへの置き換え需要が建築ガラスの出荷を下支えするとみている。アジアでも高断熱/遮熱ガラスの需要拡大により出荷が堅調に推移する見通しだ。
ライフサイエンス事業では、合成医農薬とバイオ医薬品の医薬品受託製造(CDMO)の受託件数は増加する見込みだが、バイオ医薬品のCDMOにおける新型コロナウイルス感染症関連製品の特需消失やバイオベンチャーへの資金流入減による影響が懸念される。また、能力増強に伴い費用が先行して発生する見通しだ。
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