オムロンが電子部品事業の国内全工場で太陽光発電活用、CO2年間1200t削減へ:工場ニュース
オムロンは電子部品事業の国内5生産拠点において、太陽光発電を活用した生産を2023年5月15日から開始すると発表した。
オムロンは2023年5月11日、電子部品事業の国内5生産拠点において、太陽光発電を活用した生産を同月15日から開始すると発表した。
オムロンが国内に抱えるオムロンリレーアンドデバイス(熊本県山鹿市、佐賀県武雄市)、オムロンスイッチアンドデバイス(鳥取県倉吉市)、オムロンアミューズメント(愛知県一宮市)、オムロン太陽(大分県別府市)に太陽光発電システムの設置が完了した。この太陽光発電システムの活用により、年間約1200tのCO2排出量の削減が期待できるという。2024年度までに国内生産拠点の使用電力を全て再生可能エネルギーにすることを目指し、サプライチェーン全体でのカーボンニュートラル実現に貢献する。
オムロンは長期ビジョン「Shaping the Future 2030(SF2030)」において、サステナビリティ重要課題に「事業を通じた社会的課題の解決」と「脱炭素・環境負荷低減の実現」を掲げている。「脱炭素・環境負荷低減の実現」では、2050年までに自社拠点から排出される温室効果ガスをゼロにする「オムロンカーボンゼロ」を宣言しており、2024年度末までに国内全76拠点のカーボンゼロの実現を目標している。
電子部品事業では長期ビジョン達成に向けて、「Green」「Digital」「Speed」を軸に新たな価値を提供する成長戦略を掲げて、「Green」においてはユーザーのカーボンニュートラル実現に貢献する「DMS GREEN PROJECT」を展開している。DMSとはオムロン デバイス&モジュールソリューションズカンパニーの略称だ。
自社の3つの取り組み「商品(PRODUCTS)」「生産プロセス(PROCESS)」「調達(PURCHASE)」を連動させ、サプライチェーン全体のカーボンニュートラルの実現を後押しする商品、技術、ソリューション創出に取り組んでいる。再生可能エネルギーの導入により、「生産プロセス」における生産時のクリーンエネルギー利用を加速させる。
会社名 | オムロン リレーアンドデバイス |
オムロン スイッチアンドデバイス |
オムロン アミューズメント |
オムロン太陽 |
---|---|---|---|---|
生産拠点 | 熊本県山鹿市、 佐賀県武雄市 |
鳥取県倉吉市 | 愛知県一宮市 | 大分県別府市 |
運転開始時期 | 2023年4月 | 20203年5月 | 2023年3月 | 2020年10月 |
年間PV発電量 (千kWh/年) |
1553 | 1081 | 394 | 56 |
CO2削減効果 (t-CO2/年間) |
609 | 336 | 199 | 22 |
生産品目 | リレー | スイッチ、コネクター | センサー、モジュール | スイッチ、ソケット |
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