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人はドラフトをチェックするだけ、マイクロソフトはGPTやデジタルツイン活用の展示ハノーバーメッセ2023

Microsoftは「ハノーバーメッセ2023」において、デジタルツインやAI(人工知能)を活用したアプリケーションを紹介した。

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 Microsoft(マイクロソフト)は「ハノーバーメッセ(Hannover Messe)2023」(2023年4月17〜21日、ハノーバー国際見本市場)において、デジタルツインを活用したロボットの統合管理システムや、AI(人工知能)ツールを活用したサプライチェーンの最適化についてのアプリケーションを紹介した。

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 Azure Digital Twinsを活用した川崎重工業のPCR検査ロボットシステムを展示したコーナーでは、ハノーバーメッセの会場に置かれたPCR検査ロボットシステムと、実際に羽田空港で稼働しているPCR検査ロボットシステムをデジタルツイン化し、両者が稼働するリアルタイムの3Dモデルなどをモニターに表示した。それぞれのロボットの置かれている環境がデジタル空間上で再現できているために、実際に変更を行う前にさまざまなシミュレーションも可能となっている。

 一般的に製造ラインでロボットを稼働させる場合、複数の制御プロトコルを同期制御させなければならない場合が多い。実際に、今回の展示でも、三菱電機のシーケンサーで制御されている部分もある他、周囲では同じ川崎重工業ながらオープンソースのソフトウェアプラットフォームのROS(Robot Operating System)を採用している双腕自律走行ロボット「Nyokkey」が検体を運んでいた。従来はこれらの同期制御のためにさまざまな調整を行う必要があったが、今回のデモでは異なる3つの制御プロトコルをAzure Digtal Twinで統合し、あたかも1つの制御プロトコルで動いているようなシステム構築を可能としたという。「異なるプロトコルで動く機械をAzure Digital Twinsで統合し、1つのインタフェースとして表現できている」(日本マイクロソフト インダストリアル&製造事業本部 インダストリーアドバイザーの鈴木靖隆氏)。

異なる3つのプロトコルで動くロボットたち
異なる3つのプロトコルで動くロボットたち[クリックで拡大]
羽田空港で動くロボットシステムをハノーバーでデジタルツイン化
羽田空港で動くロボットシステムをハノーバーでデジタルツイン化[クリックで拡大]

 マイクロソフトの最新AIツールであるCopilotを活用したサービスも紹介された。Copilotは話題のAIチャットボットサービスであるChatGPTに使われている言語モデルGPTが組み込まれており、コンテンツやメールの下書き、コードなどを自動生成できる。その上で、高いセキュリティ環境下で外部の情報に加え社内の情報も読み込ませ、活用することが可能だ。

 マイクロソフトのサプライチェーンプラットフォームにCopilotを組み込んだ展示では、食品関連のサプライチェーンを例に、生産体制に影響を及ぼしかねない天候不順などのニュースがインターネット上で流れるとそれらを自動で検知し、社内データと照合して該当地域の仕入先に状況を確認するメールの下書きを自動で作成、メーカーの調達担当がチェックするという機能を披露していた。

さまざまなシーンでGPTの活用が進む見通し
さまざまなシーンでGPTの活用が進む見通し[クリックで拡大]

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