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高度な読み取り/書き込み性能を備えるRFID向けIC:組み込み開発ニュース
NXP Semiconductorsは、ユーザーが設定可能な3つのメモリを備えた、大容量のRFID向けIC「UCODE9xm」を発表した。高度な読み取りおよび書き込み性能により、システム全体の精度を向上できる。
NXP Semiconductorsは2023年3月29日、ユーザーが設定可能な3つのメモリを備えた、大容量のRFID向けIC「UCODE9xm」を発表した。高度な読み取りおよび書き込み性能により、システム全体の精度を向上できる。既に供給を開始している。
読み取り感度は−24dBmで、アンテナを小型化して小さな対象物にタグ付けできる。書き込み感度は−22dBmのため、タグのエンコードを迅速に実施可能だ。従来の同社製「UCODE」製品に比べて性能が向上しており、RF非対応環境下でもタグ読み取りが容易になる。
電子タグ(EPC)とユーザーメモリバンク共用の計880ビットのメモリ空間を備え、ユーザーが選択できる3つのメモリ構成を特徴とする。最大496ビットのEPCメモリと最大752ビットのユーザーメモリにより、ロット番号や製造日、プロセスパラメーターなどの製造データを格納し、1つのICでさまざまなユースケースに対応する。
データの保護機能として、Error Correction Code(ECC)アルゴリズムやパリティチェックなどのセーフガード機能を搭載。内蔵のBlockPermalockにより、データの一部の変更を保護しながら、他の部分の追加、編集、削除が可能だ。アクセスパスワードとキルパスワードは独立しており、権限のないユーザーによる誤操作や悪意のある行動を阻止する。
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