創設100周年のフエニックス・コンタクト、ハノーバーでPush-X式新製品など展示:ハノーバーメッセ2023
フエニックス・コンタクトは「ハノーバーメッセ(Hannover Messe)2023」において、Push-X式端子台の新製品などを展示した。
フエニックス・コンタクト(PHOENIX CONTACT)は「ハノーバーメッセ(Hannover Messe)2023」(2023年4月17〜21日:ドイツ時間、ハノーバー国際見本市場)において、Push-X式端子台の新製品などを展示した。
制御盤製作時に制御機器などと電源を接続する方式として、工数削減のため電線を差し込むだけで接続できるPush-in式の活用が広がっている。一方、同社が開発したPush-X式は、新たなスプリング設計によって、従来のPush-in式に比べより力をかけずに接続できる。また、フェルールといわれる棒状の端子がなくても撚線、単線ともに取り付けることが可能だ。取り外しも開放ボタンを押すだけででき、電線を引っ張る必要はない。
前回のハノーバーメッセでは定格電線サイズ6、10、16mm2の製品を発表、制御盤の高さを抑えるため、電線を横から挿すタイプを発売していた。今回のハノーバーメッセでは新たに定格電線サイズ2.5mm2のPush-X式端子台を紹介した。日本でも2023年夏ごろから販売する見通しという。さらにPush-X式のプリント基板用コネクターの販売も予定している。
回さずに差し込むだけで嵌合できるpush-pull式のM12コネクターも展示した。工具不要で接続できるためトルク管理の必要はなく、作業効率が大幅に高まる。メス側はねじ穴が切られているため従来のねじ式でも接続可能な構造になっている。
電源では、2023年発売のTRIOシリーズの新モデル「TRIO3」も展示した。ACからDCへの変換効率が従来機比でほぼ倍増した他、大きさも20〜30%ほどコンパクトになっており、省スペース化に貢献するという。サーキットブレーカーと一体化した製品も投入する。また、他製品同様、製品に貼られたQRコードを読み取ると詳細な製品情報を確認できる他、今後製品1個当たりの二酸化炭素排出量を見れるようにする計画だ。
2023年に創立100周年を迎えるフエニックス・コンタクトではその他、IEC(International Electrotechnical Commission)が発行した国際標準規格「IEC 62443」に準拠した新たなセキュリティルーター「mGuard」など多彩な製品を展示した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- IEC 62443とは何か、工場のサイバーセキュリティ対策のカギを握る国際標準を解説
スマートファクトリー化に伴い工場でもネットワーク化が進む中で、サイバーセキュリティ対策が欠かせないものとなりつつあります。しかし、製造現場ではこれらのサイバーセキュリティ対策のノウハウもなく「何から手を付けてよいか分からない」と戸惑う現場が多いのも現実です。その中で活用が進んでいるのが国際標準である「IEC 62443」です。本連載では、「IEC 62443」の概要と活用方法についてお伝えします。 - 工場のネットワークセキュリティ対策とは?
インダストリー4.0や工場向けIoTなどに注目が集まっていますが、そもそも工場内のネットワーク環境は、どのように構築すべきなのでしょうか。本連載では、産業用イーサネットの導入に当たり、その基礎から設備設計の留意点などを含めて解説していきます。第5回では、工場のネットワークセキュリティ対策について解説します。 - PLCのAndroidを目指すフエニックス・コンタクト、「PLCnext」で目指す価値
ドイツのフエニックス・コンタクトは、ハノーバーメッセ2018において、新たなPLCの姿を模索する「PLCnext」を紹介。オープンでつながる世界にふさわしい制御機器の姿を訴えた。 - 製造現場をつないで知能化するIoTゲートウェイ、カギは「オープン」
モノトークスは、フエニックス・コンタクトが展開するオープン制御プラットフォーム「PLCnext」をベースとした、IoTゲートウェイを開発し、オープンなIIoTの世界を推進する。 - PLCのオープン化進める「PLCnext」、新コントローラーとアプリストアで普及本格化
ドイツの産業機器メーカーであるPHOENIX CONTACT(フエニックス・コンタクト)は、PLCnext Technololgy搭載の高性能コントローラー「RFC 4072 S」を発売する。合わせてこれらのコントローラー向けのアプリストア「PLCnext Store」をオープンすることを発表した。 - 工場内でつながっている機器を一括把握、産業用ネットワークで2社が協業
端子台メーカーであるフエニックス・コンタクトとネットワークベンダーであるアラクサラネットワークスは、工場用ネットワーク分野で協業し、工場内でネットワークに接続された機器を一元的に把握し管理できるソフトウェア製品「AX-Security-Controller(AX-SC)」を共同で展開することを明らかにした。