小型化と軽量化に対応する、自動車用コネクターシステムを開発:組み込み開発ニュース
TE Connectivityは、車載部品の小型化と軽量化を促進する、自動車用小型コネクターシステム「PicoMQS」を開発した。最小限の実装スペースと車載向けの堅牢性を備え、高振動や高温の過酷な環境でも性能を発揮する。
TE Connectivityは2023年3月30日(現地時間)、車載部品の小型化と軽量化を促進する、自動車用小型コネクターシステム「PicoMQS」を開発したと発表した。最小限の実装スペースと車載向けの堅牢性を備え、高振動や高温下でも性能を発揮する。
既存の0.5mmコネクターシステム「MQS」と比較して、クリンプ長を55%削減。また、パッケージ重量を78%削減することで、業界最小クラスの自動車用圧着端子、コネクター、ヘッダシステムとなっている。
極間ピッチは1.27mm、空間および沿面距離は0.46mm。リセプタクル端子は0.5×0.4mmタブ用に設計されており、0.13〜0.22mm2のワイヤに対応する。
主な用途として、ヘッドランプやステアリングホイールユニット、車両カメラなどが含まれる車両サブシステム、モジュール内での使用を見込む。EVバッテリー管理システムで一般的に使用されるフレキシブルフラットケーブル(FFC)やフレキシブル基板(FPC)にも対応するため、複雑なバッテリー形状まわりの配線も容易になる。
なお、PicoMQSは、2022年に「Electronic Products」誌のインターコネクト部門で「プロダクト・オブ・ザ・イヤー(Product of the Year)」を受賞。アプリケーションや業界の重大な課題を解決する製品性能に加え、最終用途のアプリケーションに対して設計と性能における革新性が評価された。
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