パナソニックEW社が組み立て作業向け電動工具市場に参入、第1弾は電動ドライバー:FAニュース
パナソニックエレクトリックワークス(EW)社は、工場での組み立て作業を支援する電動工具の新シリーズ「Azeloss(アゼロス)」を2023年7〜8月に発売する。
パナソニックエレクトリックワークス(EW)社は2023年3月29日、東京都内で会見を開き、工場における家電機器やPCなどの組み立て作業を支援する電動工具の新シリーズ「Azeloss(アゼロス)」を2023年7〜8月に発売すると発表した。今回のリリースを皮切りに、家電をはじめとする電気機械と情報通信機械の組み立て向け製品市場に参入する。
トルク帯が異なるドライバーの使用順番も制御可能
Azelossでは、一定のキャリアを持つ男性作業者以外でも使いやすいとAC100Vの電動ドライバー、専用の受信機、電源アダプターとコードをラインアップする。
AC100Vの電動ドライバーは、「Type A」「Type B」「Type C」「Type D」の4種類で、いずれも縦打ち作業(縦方向でネジを締める)向けの製品となっており、各タイプには低トルク仕様や低トルク・高速回転仕様、高トルク仕様がある。
Type Aは、スタート方式を「プッシュ式(先端部の押し込み)」と「レバー式(レバーの押し込み)」から選べ、現場作業に合わせて、ネジの締め付けが行える。重さは630gと軽量で、グリップ径は38mmと握りやすい。別売りのグリップアタッチメントを取り付けることで横打ち作業も行える。
本体には、ネジ締めカウント画面が付いており、作業者が手元で何本のネジを締めたかを確かめられる。先端部付近には視認性が高い判定ランプが搭載されており、ネジ締めが正しく行えたかを確認できる。判定ランプは、正常トルクアップ時に緑色で点灯し、異常トルクアップ時に赤色で点灯する。
これにより、必要なネジ締め本数をあらかじめ設定し、実際のネジ締め本数が設定値まで達しているかを常に管理でき、ネジの締め忘れを減らせる。
ネジの締め付けについては、最初は先端部が低い回転数で回転し正しい角度でネジ穴にはまり、中盤で通常の回転数となりネジをしっかり締め付け、後半は回転数を抑え、ネジを固定する材料が割れることを防ぐ。
装着されたセンサーなどでネジ着座までの回転の時間と回数を判定しネジ締めの良否も判断する。専用受信機をPLC(プログラマブルロジックコントローラー)として、複数のドライバーを連携することで、シーケンス制御が行え、トルク帯が異なるドライバーの使用順番もコントロールできる。
パナソニックEW社 エナジーシステム事業部 パワーツールSBU SBU長の松尾晃伸氏は、「例えば、トルク0.5Nm(ニュートンメートル)でドライバーを利用した後、1Nmでもう1つのドライバーでネジ締めしてから、再度0.5Nmで最初のドライバーを使うという順番を専用受信機に設定する。その後、従業員が誤った順番で両ドライバーを使用すると、判定ランプが赤色で点滅し、ブザー音を発報するようにできる。次に使うドライバーは判定ランプが緑色で点滅するため、誤ったドライバーを使用しにくい」と説明した。
専用受信機を介して、ドライバーの締め付けのトルク換算値や日時、本数、良否判定結果、シリアルナンバーをPCのデータベースに残せる。これを別売りのソフトウェアで分析すれば生産性の指標を作れるので、製造品質のエビデンス確保も可能だ。専用受信機1台につき、最大8台のドライバーのデータを受信および管理できる。
Type Bはトルク換算値の出力機能を搭載していない点以外はType Aと同等の機能を持つ。Type Cはトルク換算値の出力機能やデータ分析機能を備えていない点とデータ出力で通信ケーブルが必要な点を除きType Bと同じ機能を有す。
Type Dは、判定ランプを備え、基本性能は他のタイプと同様だが、本数カウント機能やネジ締めサポート機能、データ出力機能、データ分析機能、トルク換算値出力機能を搭載していない。
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