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群制御モジュールの導入で複数台のAGVによる自動搬送を効率化:ロボット開発ニュース
Industry Alphaは、複数台のAGVの動きを最適化する群制御モジュールを導入し、スマート倉庫における自動搬送を効率化した。各AGVが位置情報を共有し、エリア内を最短経路で走行できるようになった。
Industry Alphaは2023年3月9日、複数台のAGV(無人搬送車)の動きを最適化する群制御モジュールを導入し、スマート倉庫における自動搬送を効率化したと発表した。
群制御モジュールとは、複数台のAGVが同じ作業場所で協調して動作できる技術を応用したシステムだ。Industry Alphaでは、物流倉庫内のピッキングエリアで新たにピッキングアシストAGVを6台導入しており、群制御モジュールの活用で各AGVが位置情報を共有し、エリア内を最短経路で走行できるようになった。
AGVやAMR(自律走行搬送ロボット)を複数台運用する際に、AGV同士が見合って静止したり、AGVが遠回りしたりなどの問題が発生する。特に現場では、車両間や交差点での衝突、各車両が個別に構築したローカルマップだけでは他の車両の動きや位置を考慮できないといった課題が頻発している。また、バッテリーで動作するAGVやAMRは運用時間に制限があり、充電設備の配置や充電スケジュールの調整も必要になる。
群制御モジュールはこれらの課題を解決し、複数台AGVの最適な運用を可能にする。交差点での搬送車両間通信が最適化され、各車両はローカルマップを統合して最適なルートを走行できる。走行ルートの最適化により、省エネルギー運転が可能になるため、バッテリー寿命を延ばすことにもつながる。
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