パナソニックがインバーター制御直流アーク溶接機発売、高い省エネ効果と溶接性能:FAニュース
パナソニック コネクトはインバーター制御直流アーク溶接機「YD-250DS2」「YD-300DS2」「YD-500DS2」を発売した。月間生産台数は240台。
パナソニック コネクトは2023年3月1日、インバーター制御直流アーク溶接機「YD-250DS2」「YD-300DS2」「YD-500DS2」を同日発売したと発表した。月間生産台数は240台。
国内の多くの現場で使用されている被覆アーク溶接法による交流アーク溶接機は、感電(電撃)の危険性が高いため法令により特定環境下における電撃防止装置の取り付けや日常点検および定期検査などが義務付けられている。また、構造的に力率が低く、その他の溶接法で採用される溶接機と比較して、電源設備容量や消費電力が高くなる傾向がある。
今回の「DS2シリーズ」では感電時の衝撃や感電に伴う転倒、墜落などから作業者を守るために電撃防止機能と電防点検機能を標準搭載した。また、起動スイッチ機能を搭載して、起動スイッチ投入後に待機電圧出力、溶接終了後に自動で出力停止する。不必要な溶接出力を制限し、不用意な感電を防止する。
また、溶接中のアーク状態を監視して、溶接棒が母材に接触する寸前に電流を上昇させ、溶着を積極的に回避するアークドライブ機能や、溶接機から離れた場所で溶接電流を遠隔制御するアークトロン機能も標準搭載し、高機能と使いやすさを両立した。
また、独自技術の最新インバーター制御を導入しており、優れた省エネルギー効果と安定したアークによる高い溶接性能を実現。溶接電流300A時では、従来型交流アーク溶接機(同社製300Aタイプ)と比較して消費電力を約3割削減する。
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