ニュース
精子の受精能獲得に重要なタンパク質を解明:医療技術ニュース
大阪大学は、精子の受精能獲得には、タンパク質のFER1L5が重要であることを明らかにした。FER1L5を欠損したマウスの精子は、卵子に到達しても先体反応が起こらず、受精できない。
大阪大学は2023年1月26日、精子の受精能獲得には、タンパク質のFER1L5が重要であることを発表した。FER1L5を欠損したマウスの精子は、卵子に到達しても先体反応が起こらず、受精できないことが明らかとなった。
ヒトやマウスの精子は、射出された直後は生殖能力がない。雌の生殖路を移行中に先体反応を起こし、精子頭部の先体内に含まれる酵素などを放出することで、卵子と受精できるようになる。
研究チームは、線虫の受精に必須となるタンパク質FER-1に着目。マウスに存在するFER-1類似タンパク質6種類のうち、機能未知のFER1L4、FER1L5、FER1L6について遺伝子を調べたところ、3種類とも精巣で発現していた。
関連記事
- 「タイマーで故障を偽装し部品を売る」島津製作所子会社による悪質不正行為の全容
島津製作所は、同社子会社の島津メディカルシステムズで行われていた保守点検業務に関する不正行為の内容について、外部調査委員会による調査結果を発表した。島津メディカルシステムズ熊本営業所では、タイマーにより意図的に装置が故障したかのように見せかけ、保守部品を売るという不適切行為が行われていたことが2022年9月に発覚している。 - バイオフィルムを生きたまま内部まで観察できる透明化技術を開発
東京慈恵会医科大学は、微生物の集合体であるバイオフィルムを生きたままの状態で数秒以内に透明化し、顕微鏡で観察する「iCBiofilm法」を開発、製品化した。バイオフィルムの構造を破壊せず、分厚いバイオフィルムでも数秒以内に透明化できる。 - 尿10滴から脳腫瘍を検知できる解析プラットフォームを開発
名古屋大学と東京大学は、細胞外小胞の捕捉と細胞外小胞の膜タンパク質の検出を同時に行う解析プラットフォームを開発し、尿中細胞外小胞が脳腫瘍診断のバイオマーカーとして利用可能であることを明らかにした。 - ローカル5GとAI搭載のロボットを用いた医療インシデント削減の実証実験
群馬大学、NTT東日本、ユヤマ、ウルシステムズ、PHCは、群馬大学医学部附属病院にローカル5G環境を構築し、自立走行型ロボットを用いて薬剤の取り扱いにおける医療インシデント削減を目指した実証実験を実施する。 - 指向性マイクロフィンガーによる触診技術を開発
立命館大学は、触覚センサーを集積し、人の指のような動作が可能なマイクロフィンガーによる触診技術を開発したと発表した。また、マイクロフィンガーの曲げ動作によって得られる指向性の有効性を確認した。 - ビールの苦味成分が自律神経の活動を調整し、注意力を向上させることを確認
慶應義塾大学とキリンホールディングは、熟成ホップ由来苦味酸の単回摂取が、自律神経活動を調節し、注意力を向上させる機能があることを臨床試験で確認した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.