欧州工作機械展「EMO」がベンチャーのデジタル出展に対応、「umati」のデモも実施:工作機械(2/2 ページ)
International Linkageとドイツメッセ日本代表は2023年2月16日、ドイツのハノーバーで開催される国際金属加工見本市「EMO Hannover 2023」(2023年9月18〜23日)の概要を発表し、日本からの出展や来場者の拡大を呼びかけた。
シェーファー氏に独占インタビュー
記者発表会後に、会場を移して、シェーファー氏とドイツメッセ プレス&パブリック リレーションズのハートヴィヒ・フォンザース氏にEMO Hannover 2023について聞いた。
―― EMO Hannover 2023の新たな取り組みは何か?
シェーファー氏 EMO Hannover 2023では、新たな取り組みとして、スタートアップ企業が専用Webサイト上でブース出展できるようにした。来場者は、コンピュータゲームのようにアバターを利用して、仮想空間上のブースで、製品の情報や動画でのプレゼンテーションを見られる他、ブース担当者のアバターを介して製品について聞けるようにする。これにより、オランダをはじめとするドイツ周辺国のスタートアップばかり出展するという従来の傾向を打開し、遠方の日本や米国のスタートアップの出展社数を増やしていきたい。
――EMO Hannoverの今後について
シェーファー氏 今後も、来場者と出展社のフィードバックを大事にし、マーケットの要望をEMO Hannoverに反映する他、来場者が生産設備に投資する時に、必要な情報を得やすい場として改善していく。コロナ禍の経験を生かし、デジタルとアナログ(対面式)のフォーマットで、EMO Hannoverを楽しめる方法も模索する。
フォンザース氏 今後、こういったイベントは、イベントの前後や開催中を対象にデジタルサービスを向上させなければならない。イベント前は、会場で来場者が欲しい製品を見つけられ、出展者がターゲットの顧客に出会えるようなマッチメークのデジタルフォーマットを備える必要があるだろう。会期中は、Web上のストリーミングで出展社の製品情報やスタートアップのプレゼンテーションを閲覧できるようにする必要がある。会期後は来場者のデータベースとAIを活用し、出展社のアフターセールスをサポートすることが重要になってくるだろう。
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