ロボットを移動させ作業領域拡大、重量物向け搬送パッケージで台数を集約:第7回 ロボデックス
三共製作所は「第7回 ロボデックス」(2023年1月25〜27日、東京ビッグサイト)において、最大1000kgまで対応できる重量物向け走行軸パッケージ「LinerDrive」を出展した。
三共製作所は「第7回 ロボデックス」(2023年1月25〜27日、東京ビッグサイト)において、2023年1月から販売を開始した最大1000kgまで対応できる重量物向け走行軸パッケージ「LinerDrive」を出展した。
350kg可搬と1000kg可搬の2種類のラインアップ
三共製作所はカム技術を活用した高精度な位置決め装置を工作機械やFA装置向けに製造、販売している。従来もローラギヤカム機構を応用した直動駆動装置として「LinerUnit」を販売しており、LinerDriveはこのLinerUnitと、ガイド、サーボモータ、コントローラーをパッケージ化した製品だ。これによりユーザー側での設定工数を大幅に削減する。
用途としては、LinerDriveをロボット走行軸として上部に載せた多関節ロボットによる、溶接や塗装、ワークのハンドリングなどを想定している。LinerDriveに載ったロボットが移動することで、これまで複数台の機械にそれぞれロボットが並んでいたような現場を、1台のロボットに集約することが可能になる。
可搬重量によって2つのラインアップがある。「LRS350」は最大積載質量が350kg、最高速度は毎秒1m、繰り返し停止精度は±0.05mm、スライドベース寸法は440mmでモーター容量(目安)は2kWとなっている。基本レール長さは3mで、その後は1.8mの延長レールを連結していく。
「LRS1000」は最大積載質量は1000kg、最高速度は毎秒1m、繰り返し停止精度は±0.05mm、スライドベース寸法は600mm、モーター容量は3.5kW(目安)となっている。基本レール長さは2.8mで、その後は1.76mの延長レールを連結していく。
いずれも専用コントローラーはプログラムが組み込まれており、短時間での立ち上げが可能となっている。また、受注生産で「LRS350」は1mあたり約120万円になる見通し。
「これまでもユニット単体で販売してきたが、ロボットを載せて搬送するスライダーユニットとしての需要が増えてきた。ボールねじなどよりも重たくて距離が長い搬送をターゲットにしており、5m以上で使うユーザーが多い。ロボットと連動した制御もできるようになっており、ロボットを動かすことができれば、ロボットの台数を増やさくなくて済む点が大きい。スペースもユニットが走ることができる幅があればいい」(説明員)。
ブースでは、デモンストレーションとしてLRS350が軽快に動く様子が披露された。
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