介護施設入居者の体調把握のヒントに! 排せつ物の情報を可視化するセンサー:イノベーションのレシピ(2/2 ページ)
パナソニック ホールディングスとパナソニック くらしアプライアンス社は、これまで介護職員が介護施設の入居者から聞くことが難しかった排せつ物の情報を取得できるようになり、体調を把握しやすくする「排せつセンサー」を発売する。
定時巡視時間を9割削減するライフレンズとは?
ライフレンズは、シート型センサーとAI機能搭載のカメラ「Vieureka(ビューレカ)」を用いて、対象者が入居する室内の状況を把握できる見守りシステムで、Vieurekaで撮影した動画やシート型センサーが取得した睡眠、安否、離床の情報を、専用クラウドによりPCやスマートフォンで確かめられる。さらに、専用クラウドでは、入居者の生活リズムがグラフで可視化され、睡眠と覚醒の時間や入眠と起床の傾向が把握可能な他、1週間、2週間、3週間、1カ月の単位でグラフを表示できる。
パナソニックHD 事業開発室 スマートエイジングプロジェクト 総括担当の山岡勝氏は、「HITOWAケアサービスの老人ホームでは、ライフレンズを導入したことで、確認が必要な入居者のみに訪室が行えるようになり、定時巡視時間が従来の105分から10分に短縮した。このように巡視に頼らない見守りを実現し、人員配置の適正化を図れる」とコメントした。
また、他社製のセンサーや介護記録、ナースコール、バイタル測定のシステムで構築される介護業務支援プラットフォームに、ライフレンズは組み込みやすく、入居者の健康異常を早期発見モデルを構築するのに役立つ。
さらに、排せつセンサーがオプションとして加わり、新機能として、専用クラウドで対象者のトイレ利用状況を確かめられるようになっただけでなく、入居者の排せつ状況のレポートを見られるようになり、他システムと排せつデータを連携できるCSVファイルもダウンロード可能となった。
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