物流倉庫でトイレが足りない問題、LIXILが新発想で解決へ:国際物流総合展2020
LIXILは、「国際物流総合展2020 -INNOVATION EXPO-」において、さまざまな施設に簡単にトイレを追加設置できる可動式アメニティーブース「withCUBE」を展示した。物流倉庫を中心に2020年4月から受注を開始する予定だ。
LIXILは、「国際物流総合展2020 -INNOVATION EXPO-」(2020年2月19〜21日、東京ビッグサイト)において、さまざまな施設に簡単にトイレを追加設置できる可動式アメニティーブース「withCUBE」を展示した。物流倉庫を中心に、2020年4月から受注を開始する予定だ。
近年の物流倉庫は、物流を行う企業が自社で所有するのではなく賃貸物流センターを活用することが多くなっている。この賃貸物流センターの契約期間は3〜5年と短いことから初期投資を抑える傾向があり、設置と運用に一定のコストがかかるトイレが作業者の数に対して不足する場合も多くあるという。また、物流倉庫の利用形態も、単なるモノの保管から、流通加工作業を行う場所に移り変わりつつあり、一定数以上の作業者が常駐するようになっている。そのための人員を確保する上では、トイレの快適性も重要な要素になり得る。
withCUBEは、後付けで追加設置するタイプのトイレではあるものの高いレベルの快適性を実現していることが特徴だ。また、これまで追加設置するトイレは排水勾配の関係で既設配管の近くにしか設置できなかったが、排水圧送粉砕ポンプの採用により既設配管の近く以外で柔軟に設置場所を選べるようになった。完成品の状態で発送するので、最短1日で設置することも可能だという。
また、レンタル利用が可能であり、設置コストを除けば月額3万9000〜5万円の費用で済む。このことは、3〜5年の短期契約となる賃貸物流センター向けとして大きなメリットになる。「仮設トイレと比べると高いかもしれないが、きちんと人材を確保できる労働環境を実現するにはトイレの快適性は極めて重要だ。withCUBEはそのソリューションになると確信している」(LIXILの説明員)。
LIXILは東京オリンピック・パラリンピックのスポンサーでもある。大会会場でトイレの増設が必要になる場合には、このwithCUBEが活躍するかもしれない。
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