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広島市宇品で自律航行の水上タクシー、対岸や離島に気軽に行ける:船も「CASE」
エイトノットは2023年1月19日、自律航行システム「AI CAPTAIN」が搭載された小型電動船を広島県広島市内の旅客船運行事業者に納入したと発表した。
エイトノットは2023年1月19日、自律航行システム「AI CAPTAIN」が搭載された小型電動船を広島県広島市内の旅客船運行事業者に納入したと発表した。バンカー・サプライによって、一般旅客向け水上タクシーとして営業を開始した。
今回スタートした水上タクシーは、2022年6月に広島県の「“サキガケ”プロジェクト実証実験実施業務」に採択された。自律航行システムを搭載した船舶を用いて水上タクシーの営業を行うのは「全国初」(エイトノット)だとしている。自律航行システムは、2025年の無人航行船の就航に向けて、現行法上でも利用可能な一部機能を「自動操船アシスト機能」として提供する。目的地に応じた自動ルート設定の他、障害物や他船の回避、定点保持機能、自動離着桟などが機能に含まれている。
水上タクシーの実施期間は2023年1月19〜22、26〜29日で、運航時間は10〜15時となる。広島市宇品に4カ所の乗船場所を設けた。離島や対岸の目的地に気軽に訪れることができるようにした。
出発までの1時間前までオンラインで利用を予約でき、空きがあれば20分程度で希望の乗船場所に水上タクシーが来る。1便当たりの料金は30分程度の遊覧が5000円、市営桟橋−グランドプリンスホテル広島間が10分間の乗船で1500円、市営桟橋−レストランカリブ間が20分間の乗船で3000円となり、最大7人まで乗船できる。
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