E Inkで32色に変わるクルマ、電界発光で音楽に合わせて光るクルマ:CES2023
消費者向けエレクトロニクス展示会「CES 2023」において、BMWやフォルクスワーゲン(VW)がクルマの外観の自由度を高める技術を提案した。
消費者向けエレクトロニクス展示会「CES 2023」(2023年1月5〜8日、米国ネバダ州ラスベガス)において、BMWやフォルクスワーゲン(VW)がクルマの外観の自由度を高める技術を提案した。BMWは2022年に発表したE Inkによってボディーカラーを変えるコンセプトを、最大32色のフルカラーに進化させた。フォルクスワーゲンは電界発光(エレクトロルミネセンス)によって光るボディーをセダンタイプのEV(電気自動車)「ID.7」のコンセプトモデルに採用した。
BMWは2022年のCESでコンセプトカー「iX M60」を披露。iX M60はボディー全面をE Inkで白黒に変えることができ、その様子を屋外の実車で実演した。着る服を選ぶように気分でボディーカラーも選べるようにする他、ユーザーが駐車場でクルマを止めた場所を忘れたときにボディー全体を点滅させて位置を知らせたり、日差しの強さに応じてボディーカラーを調整して車内が暑くなるのを防いだりする用途を提案した。また、バッテリーの充電状態を外観で示したり、カーシェアリングなどの場合に車内の清掃状況も表示したりするなどさまざまな用途でボディーカラーを変える機能を活用するコンセプトだった。
今回、E Inkでボディーカラーを変えるコンセプトが、白黒のみからフルカラーに進化した。E InkのePaperフィルムをボディー全体に適用しており、240のセグメントに分けてそれぞれの色を個別に制御する。色は数秒で変化させることができるという。ePaperフィルムをトリミングするレーザー切断プロセスと電子制御の設計をE InkとBMWで共同開発した。ボディーの曲面へのePaperフィルム適用や、色の変更によるアニメーションのプログラミングはBMWグループが社内で開発したとしている。
フォルクスワーゲンが披露したID.7はEV用プラットフォーム「MEB」を採用したグローバルモデルだ。WLTPモードの走行距離は約700kmとなる。MEB採用モデルでは初のセダンで、フォルクスワーゲンのEVラインアップでは上位セグメントを担う。ID.7は欧米と中国で発売する計画で、量産仕様のワールドプレミアは2023年第2四半期を予定している。
ID.7のコンセプトカーは開発中ということもあって、デザインを隠すカムフラージュが施されている。このカムフラージュは40層の塗装から成り、導電性や絶縁性を持つ層に分かれている。最上層の塗装の下に電気を通すことで発光する。発光するエリアは22に分かれており、個別に制御できる。サウンドシステムと連動させると、リズムに合わせて個々のエリアを光らせることも可能だとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- クルマのパーソナライズって言うんなら、ボディーカラーも変えなければ!
さて、今週は現地時間の1月7日まで、米国ネバダ州ラスベガスにて消費者向けエレクトロニクス展示会「CES 2022」が開催されました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染が再拡大し、さまざまな企業が現地での出展を見送り、オンラインでの出展に切り替えました。 - ソニーホンダの新型車はエンタメ空間に、Epic Gamesと協業を発表
ソニーグループは2023年1月4日(現地時間)、消費者向けエレクトロニクス展示会「CES 2023」に合わせてプレスカンファレンスを行い、ホンダとの共同出資会社ソニー・ホンダモビリティで販売する新型車などについて発表した。 - 車内でクラウドゲーミングサービスが利用可能に、現代自BYDボルボが対応
NVIDIAは2023年1月3日(現地時間)、消費者向けエレクトロニクス展示会「CES 2023」に合わせた特別講演で各領域の最新の取り組みについて発表した。 - LGが曲面型有機ELテレビに再挑戦、平面から900Rまで20段階の曲率調整が可能
LGエレクトロニクス・ジャパンが、平面から最大900Rまで20段階で曲率の調整が可能な42インチの有機ELテレビ「LG OLED Flex」を発表。これまで同社は曲面型の有機ELテレビを製品化したことはあったが、平面から曲面まで自由に曲率を変えられるテレビは初の市場投入となる。 - 新たな市場に取り組むJDI、電子ペーパーで小売店舗の変革を狙う
ジャパンディスプレイ(JDI)が新たな市場での需要発掘に力を入れている。同社は電子ペーパーと棚割り計画システムを組み合わせた電子棚札ソリューションを2019年6月頃から展開する方針だ。 - 「世界初」だらけの42インチ電子ペーパーデバイス、リコーが現場向けに発売
リコーは、建設現場や、工場・プラント、病院などにおける情報共有のデジタル化を推進する42インチの電子ペーパーデバイス「RICOH eWhiteboard 4200」を発売する。同サイズの電子ペーパーデバイスとして、世界最薄となる厚さ14.5mm、最軽量となる5.9kgを実現しており、屋外利用を可能にするIP65の防塵(じん)と防水も世界初だという。