パナソニックがインドでラストワンマイル交通、移動コスト半減、所要時間は3割減:モビリティサービス
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)とパナソニック ホールディングスは2022年12月26日、電動車の運用を支援するITシステムの実証事業の実施にインド デリー準州政府交通局と合意したと発表した。
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)とパナソニック ホールディングスは2022年12月26日、電動車の運用を支援するITシステムの実証事業の実施にインド デリー準州政府交通局と合意したと発表した。
出発地や目的地と最寄りの公共交通機関を結ぶラストワンマイル交通の利便性と輸送効率の向上を目指す。パナソニック ホールディングスは現地企業のETO Motorsと協力して実証事業を2022年12月から実施する。
実証事業では、出発地や目的地とメトロ交通のカルカジ・マンディール駅の間をつなぐ電動車にIT運用支援システムを導入する。これにより、出発地から目的地に直接向かうタクシーやライドシェアなどの従来サービスと比較して、料金を半減、移動時間を30〜50%削減することを目指す。また、渋滞を回避して到着時刻を予測できるようにする。公共交通機関を組み合わせることで、渋滞の改善や、温室効果ガスの排出削減にもつなげる。
現在、インドでは都市部での交通渋滞などによる大気汚染が深刻な社会問題となっており、電動車の普及やメトロ交通網の拡張が進められている。併せて、ラストワンマイルの交通整備も推進されているが、三輪車のオートリキシャや電動車の信頼性や利便性が低いため、自家用車やタクシー、ライドシェアなどで出発地から目的地に直接向かう人の割合が高くなっている。輸送密度の低い交通手段により交通量が増加し、渋滞や大気汚染を悪化させるという悪循環に陥っている。
実証事業で導入するシステムは、オンデマンド運行管理、配車アルゴリズム、バッテリーマネジメントなどの機能を持つクラウドシステムだ。ラストワンマイルの電動車を運用する事業者、ドライバー、乗客の3者に向けたアプリを提供する。
事業者には車両やバッテリーの管理に必要な情報を提供する。ドライバーは乗客の需給マッピング、バッテリーに関する高精度な情報表示、キャッシュレス決済を、乗客は空き車両の情報、乗車予約、キャッシュレス決済を利用できる。走行データや電池のデータ、充電のログなどもクラウド上に集める。
このシステムを活用し、導入前後における乗客数の増加や車両稼働時間や移動時間の改善、運用車両の削減、バッテリーの稼働率向上などの効果を検証する。検証結果を基に運用を最適化することで、ドライバーの収益向上にもつなげていく。
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