高剛性と空間精度15μm以下の高精度を両立、DMG森精機最大の横形マシニングセンタ:工作機械
DMG森精機は2022年12月20日、同社最大の大型横形マシニングセンタの従来モデルを改良した「NHX 10000 μPrecision」を開発したと発表した。
DMG森精機は2022年12月20日、同社最大の大型横形マシニングセンタの従来モデルを改良した「NHX 10000 μPrecision」を開発したと発表した。
2011年に発売したNHX 10000は最大ワークサイズ径2000×1600mm、最大積載質量5000kgという同社最大の大型横形マシニングセンタだった。今回、新たに開発したNHX 10000μPrecisionは高精度化が進む建設機械や航空機、金型、自動車、エネルギー産業など、大型ワークの高精度加工に特化した機械となっており、機械本体の土台となるベッド剛性を大幅に高め、さらに3点支持構造とすることで大型ワークの高精度加工を実現した。
機械ストローク時の自重による変形の影響を解析により算出し、高精度に機械案内面の加工を行うとともに、摺り合わせによる最終仕上げで空間精度15μm以下を達成した。また、フルストローク(X軸:1700mm、Y軸:1400mm、Z軸:1510mm)での真直度精度6μm以下を保証する。
さらに、重力軸であるY軸送り軸専用の冷却装置を追加し、熱源となる機器を機械本体から切り離すことにより熱変位を抑制、高精度加工を維持する。
主軸やワークへの接近性が良く、作業性に優れた設計となっている他、クーラントタンク内の微細なスラッジを高効率に回収するゼロスラッジクーラントタンクを標準搭載しており、清掃頻度が大幅に低減することでメンテナンスによる機械停止時間、費用を大幅に削減する。パレットプールシステム(CPP/LPP)などの自動化システムと組み合わせることで、さらなる生産性向上にもつながる。
DMG森精機は2021年から部品調達から商品出荷までの工程において、全世界の生産拠点でCO2排出量実質ゼロの生産を実現しており、NHX 10000 μPrecisionにもカーボンニュートラルな体制で生産された商品を表す「GREEN MACHINE」マークを付与している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- DMG森精機が中期経営計画発表、2000億円の成長投資で2025年に売上6000億円へ
DMG森精機は2022年12月14日、2023年1月からスタートする3カ年を対象とした「中期経営計画2025」を発表した。事業モデルや経営基盤の進化などを進めて、2022年で4650億円の見通しとなっているグローバルの売上高を、2025年に6000億円まで高める。 - DMG森精機が最新機種で工程集約を提案、金属3Dプリンタの受託加工を東京でも開始
DMG森精機は2022年11月8〜13日まで、東京グローバルヘッドクォータ(東京都江東区)においてオープンハウスを開催し、工程集約をキーワードとして最新の工作機械を多数披露した。同月9日にはメディアにもその模様を公開した。 - DMG森精機が描く工程集約と自動化、JIMTOF2022ブースで見せたAMR活用
DMG森精機は「第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)」(11月8〜13日、東京ビッグサイト)において、5軸加工機や複合加工機を中心とした工程集約を提案した。 - 進む製造機械の「知能化」、学習済みAIを搭載する動きが拡大へ
AI(人工知能)の活用が広がりを見せている。こうした中で、新たな動きとして定着が進んでいるのが、工作機械や射出成形機など、製造機械へのAI機能の組み込みである。2022年はこうした動きがさらに加速し、AIの学習までを機械メーカーが担って出荷する動きが進む見込みだ。 - 工作機械の共通インタフェース「umati」とは何か?
工作機械のスマート化に向けて注目されている通信規格が「umati」である。本連載では「umati」とはどういう規格なのか、技術的にはどういう背景があるのか、どのような活用シーンがあるのかについて、紹介する。第1回となる今回は「umati」とは何かをテーマに概要を取り上げる。 - 工作機械も4.0へ、シェフラーとDMG森精機が描く「マシンツール4.0」
ドイツのインダストリー4.0が大きな注目を集める中、工作機械にもIoTを積極的に活用する動きが出てきている。軸受部品を展開するシェフラーと、工作機械メーカーのDMG森精機は工作機械のインダストリー4.0対応を目指す「マシンツール4.0」プロジェクトを推進している。