この記事は、2022年12月15日発行の「モノづくり総合版」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。
2022年11月21日から約1カ月間開催されてきたFIFAワールドカップ(以下、W杯)カタール大会も残すところ2試合となりました。われらが日本代表は、ベスト8とした目標には到達できなかったものの、ドイツやスペインといった優勝候補国を破り、世界を大いに驚かせました。Jリーグが生まれて30年たちましたが、サッカーの世界では日本はまだまだ新興国で、先進国とは大きな差があります。筆者もこの2国に勝てるとは思ってもおらず「何とか引き分けてくれ!」と願っていたので、逆転ゴールが決まったときには、早朝や深夜にもかかわらず、家の中を駆け回って絶叫してしまいました。
さて、サッカーと同様に、はた目には難しく見えることに挑戦する大きな動きが、モノづくりの世界でも生まれています。2nmのロジック半導体製造を行うRapidusをはじめとした、国内先端ロジック半導体産業への取り組みです。ちょうど2022年12月14日に開幕した「SEMICON Japan 2022」ではオープニングキーノートパネルとして、「半導体・デジタル産業戦略」に深く関わる主要メンバーが登壇し、国内半導体産業再興への思いを語っていました。
キーノートパネルの内容については、以下の記事で紹介しているのでご覧いただければと思いますが、話を聞いていて筆者が興味深いと感じたのが、東京エレクトロンで会長や社長などを歴任し、TIA 運営最高会議議長で半導体・デバイス産業戦略検討会議の座長を務めた東哲郎氏の「大人も夢を持たないとダメだ」とした言葉です。
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