Skydioがドローンポートを発表、ドローンの無人自律運用が可能に:ドローン
米国のドローンメーカーであるSkydioは、ドローンポート「Skydio Dock」「Skydio Dock Lite」とリモートオペレーションソフトウェア「Remote Ops」を披露した。
米国のドローンメーカーであるSkydioは2022年12月9日、東京都内で会見を開き、ドローンポート「Skydio Dock」「Skydio Dock Lite」とリモートオペレーションソフトウェア「Remote Ops」を披露した。同月8日に、NTTコミュニケーションズ、ジャパン・インフラ・ウェイマーク、KDDI、センシンロボティクス、FLIGHTSなどのパートナー企業からの販売を開始している。
Skydioは、機体の上方と下方にそれぞれ搭載する3つのカメラと前方カメラ、合計7つのカメラを用いた全方位認識に基づくAI(人工知能)自律航行を特徴とするドローンを展開している。2014年の創業からの累計で、顧客数は1000社以上、出荷台数は2万5000台を超えている。主力製品は重量800gで最大連続航行時間27分の「Skydio S2+」と、より高い耐久性に加えて赤外線カメラも搭載する重量1325gで最大連続航行時間35分の「Skydio X2」の2機種だ。
今回発表したSkydio Dockはこれら2機種向けのドローンポートとなる。Skydio S2+の運用を前提とした屋内向けの「Skydio Dock for S2+」、Skydio X2を用いる屋外向けの「Skydio Dock for X2」とも、外形寸法は幅69×奥行き63.9×高さ88.2cmで同じ。重量はSkydio Dock for S2+が44.7kg、Skydio Dock for X2が46.3kg。Skydio Dock内部の、ドローンの離着陸と充電を行うボード部だけを切り出したSkydio Dock Liteは、外形寸法が幅12.5×奥行き30×高さ22.6cm、重量が0.67kg(外形寸法、重量とも土台ありの場合)。充電時間(20〜90%)は、Skydio Dock for S2+とSkydio Dock Liteが30分、Skydio Dock for X2が45分となっている。
Skydio President of Internationalのトム・モス(Tom Moss)氏は「ドローンの自律航行に向けて創業し、安全で早く安く点検できることを評価していただき事業を拡大してきたが、これまではドローンの運用にどうしても人が必要だった。ドローンに本当に求められている期待に応えて、さらに事業をスケールさせるには、24時間いつでも無人の自律運用ができなければならない。そのために3年間かけて開発してきたのが、このSkydio Dockだ」と語る。
Skydio日本法人のCountry Manager Japanを務める柿島英和氏も「ようやく、ついにSkydio Dockを発表できてうれしい」と述べた上で「定期点検」「現場の継続モニタリング」「各種イベント後の対応」「在庫管理」「設備管理」という5つの活用例を示した。「既にドローンポートが幾つか提案されているが、ドローン、ドローンポート、リモートオペレーションソフトウェアを1社で完結したソリューションとして提供でき、費用対効果も高い点が大きく異なる」(柿島氏)という。なお、価格イメージは、ドローン、ドローンポート、リモートオペレーションソフトウェアを含めて数百万円としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 2022年は国産ドローン元年となるか、目視外飛行可能なレベル4に向け急発進
2020年9月の政府調達方針の変更を受け、2021年は国産ドローンの市場投入に向けたさまざまな活動が活発に展開された。年度内にドローンの目視外飛行可能なレベル4の法整備も行われる予定の2022年は、国産ドローン元年となるのだろうか。 - ドローンの“巣”となるドローンポートを国産化、カーボンニュートラルにも貢献
「Take Off Anywhereプロジェクト(TOAプロジェクト)」が、ドローンの離着陸や充電を自動で行えるドローンポートを開発したと発表。屋外運用に対応するため全天候対応のシェルターとなる開閉機構なども備えており、国内で設計開発し本格的な量産を行う国産のドローンポートは初の事例になるという。 - トヨタ自動車がドローンポートを開発、ラストワンマイル物流の情報管理を視野に
トヨタ自動車は、「Japan Drone 2022」のブルーイノベーションの展示ブースにおいて、開発中のドローンポートを披露した。国内でのドローンの目視外飛行に関する法整備が完了する2023年以降をめどに、物流関連の実証実験などで運用を開始したい考えだ。 - 空に安全な道を作れ、東電とゼンリンが目指す「ドローンハイウェイ構想」とは
東京電力ホールディングスとゼンリンは新たに、ドローンが安全に飛行できる“空の道”を作る「ドローンハイウェイ構想」を提唱し、実現に向けた業務提携を行うことを発表した。東電の電力インフラ網をドローンの飛行路とする構想だ。 - ヤマハが新たに無人ヘリとドローン開発、適材適所で農業の省人化推進
ヤマハ発動機は2022年10月6日、東京都内およびオンラインで記者会見を開き、主に農業用途向けの産業用マルチローター「YMR-II」および産業用無人ヘリコプター「FAZER R AP」を開発したと発表した。 - IHIのハイブリッドドローンはツインローターリーエンジン搭載、2024年度に発売へ
IHIエアロスペースは、「第8回 国際ドローン展」において、エンジンと電気モーターの併用で重量物積載と長時間飛行を両立したハイブリッドドローン「i-Gryphon」の試作2号機を展示した。既に基本設計は完了しており、2024年度の販売開始を目標に実証を進めている段階にある。